内容(「BOOK」データベースより)
結婚情報誌で紹介された相手は素敵な大麻農家の長男だった。婚期を逃した女性が幸せを掴もうとする姿を描く「大麻農家の花嫁」等、読む者の心を予想不可能な振幅で揺らす六篇の珠玉小説。誠実でありながらも刺激的、そして笑え、最後には沁みていく…。天才リリー・フランキーが、その才能を遺憾なく発揮し、物語の面白さすべてを詰め込んだ。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
リリー・フランキー
1963年福岡県生まれ。武蔵野美術大学卒業。イラストのほか、文筆(エッセイ、コラム、小説)、写真、デザイン、作詞・作曲、構成・演出など幅広く活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
これがリリー・フランキーだ!
まず本書は短編集となっていて、書籍のタイトルになっている、『ボロボロにになった人へ』が一番短く、濃密さはあるものの、短過ぎて、うーん?となりました。作品によってベースに多少の違いはあるのですが、ある程度共通をしているのが、抗っている人達が登場をしている点になります。
向き合う、そして抗ってみる。言葉にして書いてしまうと非常に短いのですが、現実的にそれが出来る人は今ではすっかりと少なくなってしまっている印象を受けますね。作品の抗うは自分の置かれた環境に対しての抗いになりますので、同じように抗っている人も多いとは思いますが、それを止めてしまって、受け入れている人も多いと思いますし、そうした人は、ほぼと言う、言い方になってしまいますが、本なんて読まないでしょう?読書って、シンプルに趣味であると同時に自分自身を研磨する行為であり、自分自身の中での抗いの一つの行為になると思うんですが、いかがでしょうか?
さて、本書ですが、あまり内容自体には触れたくないのですが、最初読み始めた部分では、どうした?リリー・フランキー?お前さんは、純粋な小説家なのか?違うだろ?これがリリー・フランキーだ!と言う所を見せてくれよ!思う反面、こうした普通の小説も書ける人なら、それはそれで、何て考えていたのですが、やっぱりリリー・フランキーさんだよね!と思える内容になっていきました。
そりゃ、リアルラブドールを持参して、笑っていいとも!に登場をした、おっさんが、まともな文章を書けたとしても、それで満足をする訳がないんですよ。これがリリー・フランキーだ!と言うのも堪能をする事が出来ましたし、文章からも、痛みを知っている人である事が伝わります。痛みを知っている人の文章は、やっぱり小説として読んでいても、共感を出来る部分が多いですし、その痛みをユーモアな表現方法で表してくれるのが素敵だと思います。
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