自分の才能に限界を感じ、中学卒業と共にサッカーを辞めた安藤ソラ。しかし、女子日本代表・若宮四季との出会いが、心の奥底に眠っていた何かを衝き動かした――。清新な筆致で描かれる、ソラを巡る様々な人間模様――
中村尚儁さんの漫画好きだな。特に今回紹介をする、『1/11 じゅういちぶんのいち』については、タイムリーに読んでいたのですが、ジャンプSQで読んでいたので、別冊から連載が開始をされていた事を知り、え?となりました。知らない人も結構いるのではにないでしょうか?
まず、絵柄としては万人受けをしやすい絵柄となっていますし、熱血系サッカー漫画であれば、別の作品をお勧めしたい。と言う気持ちが正直あります。ちなみにそれは『かっとび一斗(お勧めサッカー漫画)』になります。
他にもお勧めのサッカー漫画を取り上げていますので、当サイト内の『サッカー漫画』で検索をしたのリンク先是非ともご覧ください。
今回紹介をしている中村尚儁さんの漫画で言えば、すでに二作品を紹介させて頂いております。以下がそうですね。
・伝説の勇者の婚活
・蒼のアインツ(中村尚儁)
僕がいる、そして君がいる
ざっくりと内容紹介を…と言いたいところですが、超優秀なライターさんが書いたのですかね? 上記で引用させていただいている冒頭の言葉が、すべてを物語っています。
補足をすると、各話で取り上げられるキャラクターがいて、話が前後しながら進行していきます。前述のように、連載当時から「この作品はいいな」と感じていたのですが、そこは月刊誌。こうして単行本でまとめて読むのと、タイムリーに月刊誌で読むのとでは、やはり話の理解力が違ってきます。
そして私個人の年齢は40代中頃になるのですが、この作品をリアルタイムで読んでいたのは30代中頃。すでに大人だったので「そんなに感じ方は変わらないだろう」と思いながら読んでいたのですが、ジャンプSQで掲載されていた濃い内容や、すっかり忘れていたエピソードなどもあり、最終話では「こんなに泣いたかな?」と思うほど涙を流してしまった中年の私がいました。
この作品は、まさに“皆さん”に向けた作品です。実際に読んでみれば分かりますが、「ああ、これは立場は違えど、自分と重なる部分があるな」と思える話がいくつもあり、ほとんどの人に刺さるはずです。
女性読者の中には、サッカーよりも野球や他のスポーツのほうが馴染みがある方も多く、「スポーツものか…」と躊躇してしまうかもしれません。でもご安心を。サッカーはあくまで題材としてのベースにすぎません。気軽に読んでいただけたらと思います。実際、サッカー漫画というよりは、人間ドラマの作品で、最初から最後まで【サッカーの試合シーンは一度も】出てきません。
そして、これは別件になるのですが、私と同じく連載当時に読んでいた方に特にお勧めしたいのは、巻数の半分以上が“読み切り作品”として収録されている点です。中には「読んだ記憶がある!」という作品もあれば、「えっ?こんなの知らない!」という作品もあり、お得感たっぷりの一冊となっています。
紹介がすっかり遅くなってしまいましたが、私の中でも一押しのおすすめ作品です。“サッカー漫画”としてはもちろん、“漫画作品”としても非常に完成度の高い一冊です。
ぜひ読んでみてください。そして、よろしければ読後の感想を教えていただけたら嬉しいです。「あー!この作品知ってる!」という方も、改めて購入しなくても結構ですので、忌憚のないご意見をお寄せください。
この作品の魅力
- スポーツ漫画の枠にとどまらない人間ドラマ
- サッカーが物語の背景であるだけで、試合シーンは一切なし。人生や人間関係に焦点を当てた構成が秀逸。
- 年齢や立場を超えて共感できるエピソード
- 学生、親、プロ選手など、さまざまな視点から描かれるストーリーは、誰しもが共感できる要素を持っています。
- 時間を置いて再読することで深まる感動
- 月刊誌で読んでいた時とは異なり、単行本で通して読むと、感情の流れや伏線の回収がより鮮明に感じられます。
- 女性にもおすすめできる“サッカー漫画じゃない”漫画
- サッカーに詳しくない読者でも問題なし。スポーツを知らなくても楽しめる物語の完成度。
- 読み切り作品の収録が豊富で満足度が高い
- 単行本の後半には、連載当時に掲載されていた読み切り作品も多数収録され、既読者にも新鮮な驚きとお得感を提供。
サッカー漫画だから…と敬遠していた方にも、ぜひ手に取ってほしい作品です。逆に「サッカーが好きで読み始めたら、想像と違った」という方にも、人間の成長やつながりを描いた良作として響くはず。
もしすでにこの作品を知っているという方がいれば、ぜひ当時の印象や今回読み直した感想を教えてください。そして、まだ読んだことのない方には、自信を持っておすすめできる1冊です。
「スポーツ漫画」の定義を、良い意味で裏切ってくれる作品。
それが、『1/11 じゅういちぶんのいち』です。
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