内容紹介
2018年1月に逝去した政治家・野中広務の生涯。政敵とは徹底的に闘う、強面のイメージが強かった。だが、その一方で、戦争を憎み、沖縄に寄り沿い、平和を愛した政治家でもあった。その素顔に迫る。内容(「BOOK」データベースより)
戦争は二度と起こさない。弱者を決して見捨てない。そのためならば平然と友を敵に回し、敵を友とした―権力闘争を挑み続け、「影の総理」「政界の狙撃手」と恐れられた男。硬と軟、恫喝と懐柔―強面の政治家が生涯を賭けて守ろうとしたものとは。著者について
菊池 正史
1968年、神奈川県生まれ。93年、慶應義塾大学大学院修了後、日本テレビに入社。政治部に配属。旧社会党、自民党など各政党を担当し、2005年から総理官邸クラブキャップ。08年から編成部、11年から報道番組プロデューサー等を経て現在は政治部デスク。著書に「安倍晋三『保守』の正体」「官房長官を見れば政権の実力がわかる」「政治改革の熱狂と崩壊」ほか。著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
菊池/正史
1968年生まれ。93年、慶應義塾大学大学院修了後、日本テレビに入社。政治部に配属。旧社会党、自民党など各政党を担当し、2005年から総理官邸クラブキャップ。08年から編成部、11年から報道番組プロデューサー等を経て現在は政治部デスク(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
読売テレビの著者が頑張った
まず、読売テレビの方が著者になるのですが、頑張りましたね。直球ストレートの剛速球とまでは行かないのですが、安倍政権に対する批判的なスタンスがジワジワと所々で発揮をされています。恐らくストレートの剛速球を放つと怒られるのでしょうね。
直接的には安倍政権とは関係がないのは当たり前なのですが、野中のスタンスを通して、現政権のスタンスを対比している箇所は多数あります。
部落の件
部落と聞いたら、個人的には部落利権を彷彿します。野中さんも部落出身。と言う話については、どこかで聞いた事があるのですが、個人的には部落利権の代弁者だとばかり思っていましたが、本書では真逆の事が書かれていました。
現時点では、どれ位の部落利権が残っているのかは分かりませんが、部落と言う事で、優先的に回されていた会社への仕事への振り分けを見直したり、利権となっている現状が差別を再生産している。と言う事で、色々と見直しをしていた人なんですね。いやー、野中さん、恐れ入りました。
野中さんが部落出身で云々なんて話は、多分、とっくに野中さんが政界を引退した後に知ったので、政治家として野中さんが、どういった対応をしていたか?そんな事は全く気がつきませんでしたね。何だか良く怒っている人だったし、タイムリーに野中さんを知ったのは鎮圧と反抗を繰り返していたタイミングだったので、勝手に私が勘違いをしてしまったみたいです。
鎮圧としての野中広務
個人的には、何となく村山とかも覚えてはいますが、森内閣辺りからですかね。その頃には野中広務さんは、絶頂であって、打倒森内閣で加藤の乱とかで、お!?面白い事が起こっているぞ。と思っていたのですが、それを鎮圧をしたのが野中広務さんでした。これは何となく覚えていますね。強烈な圧力を繰り返していたと思いますが、今の安倍政権と違う所は、その圧力を隠す事がなかった点ですね。ある意味清々しい形でした。
そして加藤の乱は鎮圧をされるのですが、あんたは大将なんだから!一人で行くなんてだめだよ!と加藤を止めたのが谷垣さん。
その後も小泉旋風が吹き荒れる中、参議院のドンと呼ばれている青木さんが隣にいる状況で、毒まんじゅうを食ったやつがいる!と強烈に批判をしていたシーンは鮮明に覚えていますね。
あの頃は良くも悪くも、きちんと自民党内で批判的な意見を言える環境は今と違ってあったみたいです。だからこそ、自民党に任せておいて大丈夫だろう。と個人的には思えたのですけどね。
経世会、最後の輝きが野中さんだったんだな。と今となっては思いますよね。今の20代の若い人の場合、清和会の自民党しか知らない人がほとんどなのかな?と思いますが、自民党の派閥の中では、かつては経世会が一番だったんですね。もう今では見る影もないのですが、うーん。個人的には清和会は好きじゃないですね。
経世会が好きか?と言われたら、別にそんな事もないのですが、色々な派閥が拮抗をしている状態で、バランス良く決めていく方が良かったと思いますけどね。清和会なんざ、CIAの犬っころにしか見えないですな。
→「影の総理」と呼ばれた男 野中広務 権力闘争の論理(Amazon)
コメントを残す