
第6天魔王信長 消されたキリシタン王国
内容紹介
織田信長が天下統一を果たしていたら、日本の西洋化が300年早くなったかもしれない! ?
信長が目指したものとは?
加治将一の推理が冴えわたる、加治ファン、歴史ミステリーファンなら読まずにはいられない! 加治将一渾身の書下ろし! !著者について
米国でビジネスを手がけ、帰国後、執筆活動に入る。
『借りたカネは返すな! 』はベストセラー。明治維新の裏面を描き、坂本龍馬暗殺犯を特定した『龍馬の黒幕』(祥伝社文庫)は、テレビで4度映像化された。
主な著書に『禁断の幕末維新史 封印された写真編』(小社刊)望月先生歴史シリーズ『幕末 維新の暗号 上・下』『西郷の貌』『幕末 戦慄の絆』『舞い降りた天皇』『失われたミカドの秘紋』(以上、祥伝社文庫)、『カネはアンティーク・コインにぶちこめ! 』(祥伝社)など多数。
また、世界有数のアンティーク・コインのコレクター。
え?結局キリシタン大名じゃないの?
幕末シリーズ物については、かなりの数と言いますか、多分ですが、全部読ませて頂いている著者の作品となりますが、最後はうん?と言う終わり方でしたね。結論書いてしまいますと、信長=キリシタンと言う確証はないまま終了とななります。
信長がイエズス会とやり取りをしていたのは周知の事実ですし、イエズス会にとって、信長は役に立つ人物であったのも間違いないとは思いますが、ちょっと微妙に感じ点も多いですかね。
それぞれのイメージの中にある織田信長がポイントになると思いますが、自分の中では織田信長は使える物は何でも使う合理主義者と言うイメージです。だからキリシタンだって使える所は使う。仏教だって使える部分は使う。事実として本願寺についても布教や思想の自由自体は許しています。
この辺り、多少歴史の知識がない人にはピンと来ない部分になりますが、当時は仏教が勝手に関所を作って、通る時に税金を払わされていたんですね。信長はそれを許さない。と言う事をやったんですね。それが楽市楽座です。今風の言葉で言えば、関税無し。と言う事です。全てではないかもしれませんが、運営する為の許可も不要。と言う事もやっています。今でも関税もあれば、自営業で商売をしようとすると、役所の検査を受けたりとかしますが、そうしたのが要らないよ!と言う事をやったんです。
そうすると、商売を始める人も増えますし、物の値段も下がる。結果活気が増える。それを他国のスパイが見れば、織田信長はやべー!すげー町中に活気があるから、金を持ってるだろうから、こりゃ、叶わないぞ。と言う事で気力でなえさせる効果もあったみたいです。
なので、イエズス会についても、利用出来る部分は利用をしておいて、用済みになれば、距離を取る。と言う位だったのではないでしょうかね?仏教・キリスト教と宗教を見てきて、あれ?俺が神様になった方が儲かるんじゃね?と言う事になり、最終的には俺が神様だから、俺に寄付しろ!とドドーンと一発かますのですが、これ、どこまで本当だったのか分からないんですよね。
信長自体は結構お茶目な部分もありまして、規模として小規模な大名だった頃には、寛大な気持ちも持っていたのですが、武田信玄・上杉謙信辺りが死んで、自分に叶う敵がいなくなった辺りから、ブイブイ言い始めている部分も多くて、いわゆる調子こいた状態になりました。これは経営者でも全く同じ事だと思います。少人数のベンチャーでは、アットホームな雰囲気でしたが、規模が拡大をして、上場なんてしてしまった日には数字だけを追いかけ始めて、中途の高学歴の採用が始まり、旧来の社員との軋轢なども生まれ始めて、社長も社員の名前を覚えなくなる。幾らでもあると思います。
この辺りは以下の感想文でも書いています。
本能寺の箇所
本能寺の変については、中心としては朝廷説を採用していますね。一定の説得力はあると思います。ただ、私個人としては光秀が切れちまった。と言う事が一番だと思いますけどね。光秀は思慮深い人物で決して馬鹿ではないのですが、疲れちゃったんだよ。
だって、これまで散々戦ってきて、ようやく天下太平ですなー。と思っていたら、信長様、次は明だよ。とか言うし、その前に徳川を殺しちゃおう。と思っているみたいな感じで、もう嫌だ。となっても不思議ではないんですよね。だから、勢いに任せてやっちまった。と言う説が自分の中では有力です。
これについては、明智光秀の子孫が書いていますね。
え?奴隷貿易がなかったの?
イエズス会が、どこまで積極的に関与をしていたのかは不明な点も多いのですが、日本人が奴隷として東南アジアに売り飛ばされていた事実すら、本書では否定をしています。え?嘘でしょう?と言う気持ちにはなりましたが、書かれている書籍が資料として使っている所までは探れないので、個人的には何とも言えないのですが、奴隷貿易を行っていたのは事実でしょう。
国で分けるとどう言う按配になるのか分からないですし、キリスト教と言っても、プロテスタントとカトリックに分かれるので、細かい点については何とも言えないのですが、オランダだって、バリバリとインドネシア人を奴隷として扱っていましたし、東南アジアなんて奴隷だらけでしたからね。
その中に日本人奴隷の比率は少なかったかもしれませんが、決して少ない数ではなかったと思います。この辺りの真偽については、かなり個人的には懐疑的に感じましたが、考えるきっかけにはなりましたし、すぐ。と言う訳にはいかないのですが、奴隷の歴史関係の書籍があれば当たってみたいですね。
一発で、お!と思える点は、これまでの幕末シリーズの著者の作品と比較をしてしまうと、今作では少ないのですが、文字から読み解く推理は流石でしたね。岐阜とか安土とか、ほー!と思いました。私は好きなだけで専門家ではないので、資料についてはあれこれ分からない部分も多いのですが、考える一つのきっかけですね。
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