近代の終わり 秩序なき世界の現実

近代の終わり 秩序なき世界の現実
近代の終わり 秩序なき世界の現実

◆階級対立、陰謀論の拡散、表出し始めた「世界の歪み」の数々――。
◇「近代を象徴するシステムの終焉」が意味するものとは?
◆8人の碩学に問う、人類を取り巻く残酷な未来と現代への警鐘!
新型コロナウイルス感染症は、世界にさまざまな歪みをもたらしている。
各国政府の大規模な財政出動は、富める者と貧しい者の格差を再拡大させ、
医療の専門家による感染対策の提言は、経済、社会活動への配慮が
不十分だと受け止められ、人々の不満を強める結果となった。
先のみえない不安のなかで、偏見、ステレオタイプによる
暴力的行為が蔓延し、荒唐無稽な陰謀論が拡散されている。
グローバリゼーションや資本主義、自由政治といった
「近代」を特徴づけてきた制度は、はたして今後も続くのか。
8人の碩学に問う、人類を取り巻く残酷な未来と現代への警鐘。

【本書の内容】
◆ブライアン・レヴィン(カリフォルニア州立大学憎悪・過激主義研究センター所長)
――アジア人への暴力と憎悪の民主化
◆カート・アンダーセン(作家・『ファンタジーランド』著者)
――「ファンタジーランド」と化すアメリカ
◆ジョージ・フリードマン(地政学アナリスト)
――北朝鮮の核攻撃に弱い国はどこか
◆イワン・クラステフ(政治学者)
――自由主義的覇権は幻想だった
◆アダム・トゥーズ(歴史学者)
――パンデミックが加速させた米欧の分断
◆ヴァレリー・ハンセン(歴史家)
――外国貿易反対派の抗議の歴史
◆ジョージ・エストライク(詩人)
――健常者優位主義を乗り越えられるか
◆デイビッド・ファリアー(エディンバラ大学教授)
――地球の大都市が化石になる日

8人の識者による幅広いテーマが書かれている作品

幅広いテーマですね。グローバリズムとコロナについて書かれているかと思ったら、アメリカはファンタジーランドと喝破する人物が登場をしてきたり、健常者優位主義について障害とは何か?と言う事を考えさせられたり、最終的には数万年後の地球で、どういった都市などが化石として残っているだろうか?その理由についても書かれていたりと、最初に書いているように、実に幅広いテーマが取り上げられています。

正直、もしかしたらどこかの書籍で出てきた人もいるのかもしれませんが、記憶の限りでは全員初めて知った方になります。より、この人の言っている事を知ってみたいな。と思える識者がいたら、その方の書いた書籍などを読んでいく。と言う、やや入門的な使い方をすれば良いのかな?と思います。

少し残念な部分があるとしたら、この記事執筆時点では、ウクライナが、良い言い方ではないかもしれませんが、最もホットなテーマになるのですが、そうした事については一切書かれていませんね。でも、一部の報道によりますと、2008年当時の時点で、ウクライナのNATO加盟に承認を当時のブッシュ大統領がGoサインを出した時に、当時のCIA長官が、それはロシアに取ってのレッドラインであって、絶対に反対。と言う事を伝えていたみたいですからね。

現在は2022年になりますので、もう14年も前の話になりますので、当時の記憶が鮮明に残っている人も少ないでしょうし、私自身も当時のウクライナの問題とか、まるで認識をしていなかったのですが、大半の報道は、せいぜいここ数年の話ですし、西側陣営の報道になりますので、ロシアが悪い前提の情報になりますからね。

ただ、ヒント?と言う言い方になるか分かりませんが、イワン・クラステフさんの部分がちょっと現在のウクライナに重なっている部分がありますね。東西冷戦が終わり、自由主義陣営が思い切り調子に乗っていく。そして中国に投資をしまくって結果、あれ?中国がやばい。とか自分で育てておいて中国脅威論を叫び出して、ロシアに対しては舐めまくった態度を取ってしまった。と言うのが、今回のロシアぶち切れ。ウクライナへの進行が下地にあるように思うのですが、そうした事が体系立てて書かれている訳ではないです。実際に読んで頂ければ、どの辺りに重なっているかも。と私自身が思ったのがどこか?分かって頂けるのかな?と思います。

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