
超絶ローカルな話ですが面白かった
埼玉県、東松山市の中でも、野田と言うエリアに昔から住んでいた長谷部さんが、昔自分が聞いていた話を中心に収録をされている、ローカルな内容となりますが、自分の近所の話になりますので、個人的には興味深く読ませて頂きました。
こうした話になると、誰かが書いておかないと、知っている人がいなくなる。そうした事情もありますし、ご本人もそうした事を知っていたからこそ、書いてくれたんですね。有難い事です。それでも、もう分からない事も発生をしていますからね。歴史をつないでいく。と言う事は本当に難しい事ですね。
取りあえず、私は読みました。そして、こうした本があるぞ!と言う事を、微力も微力。それでも一人か二人ぐらいは、へー。と思ってくれている人がいるでしょう。それしか出来ないけれども、自分に出来る範囲の事はやった。
野田と言う話に限らず、昔の田舎では、こうした呼び方をしているケースが多々あったのでしょうね。例えば2021年の大河ドラマは渋沢栄一で、中ん家と呼ばれていますが、これはもう、完全に本書の中でも取り上げられているケースと同じケースでしょうね。書いてしまうと、分家をしていくうちに、同じ苗字ばかりなるので、場所で呼ぶようになります。東ん家、北ん家、神社などが出来れば、宮前。こうした呼び方の中で、真ん中の辺りにあれば、中ん家になります。
その他、どこまで苗字を大切にしていたのか?良く分からないですし、温度差はあるのでしょうが、基本的には同じ苗字に関係なしに、村の連中は助け合う。と言うのがベースになるのですが、手が回らなくなると、やはり同じ苗字で助け合う形になります。そうなると、少数派はいざ。と言う時にはきつい。だから、多い苗字の傘下に入る。みたいな形の事も書かれています。血縁とか、そんなのは関係なく、同じ一族に組み込まれていって、助け合う際のパワーを最大化させていくイメージですよね。
なので、多い苗字の方は、自分の苗字に誇りを持っていたのでしょうが、組み込まれていった方は、案外どうでも良かったのではないか?と思えますね。また、明治への転換期などには、混乱が生じて、ずっと住んでいたけれども、別の場所に引っ越しをしてしまった人も多かったみたいです。ちょっとしたパニックだったのでしょうね。
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