長年にわたって鎌倉の研究を進めてきた著者が現地調査や発掘成果などで得た最新の知見をもとに、鎌倉時代から戦国時代までの知られざる〝鎌倉のすがた〟をわかりやすく解説します。
鎌倉時代だけではない鎌倉にスポットが当たっている作品
『鎌倉殿の13人』、皆さん見ていますか?私自身は二回見ています。これまでにも色々と今年に入ってきて、大河ドラマの方でもジリジリと進んできたので、大体は人間関係図みたいなのは見えてきました。あー、こいつ、この後に殺されてしまうんだな。と言う程度の事は、大河ドラマを見ながらも、思ったりする事が出来るようになりましたね。
で、本書ですが、これまでは人物と争乱について中心の作品を読んできたのですが、本書は文化的な側面にスポットが当てられている作品となっています。当時の人々がどんな生活をしていたのか?具体的には服装なども、モノクロにはなりますが、写真も多く掲載をされているので、非常に理解をしやすいと思います。
ちょっと自分の中で残念だったのはトイレですね。水洗式のトイレについては武田信玄が初めて導入をした。と言う話を聞いた事があって、厠を川の上に作って、自動的に流れていく。と言う仕組みだったかと思いますが、信玄特有のジョークで、臭いは草木へ(臭いを掛けている)と言う発言もあったみたいで、こりゃ、信玄やったぜ!と信じていたのですが、鎌倉時代にはすでに上流階級では水洗式トイレがあり、しかも川を軽くせき止めをして、流す時に、多分太い紐みたいな物だと思いますが、それを引いてせき止めを解放して流す。とか、もう今の水洗式トイレと大雑把に言えば、同じじゃないか!と思えるのがあったみたいです。
一般の人の使っていたトイレなどもモノクロ写真で掲載をされていて、ほへー。と言う感じですね。いわゆる公衆トイレになるのですが、いかんせん紙でふけないのが、現代で良かったですよね。
三つ子誕生で考えた
三つ子誕生の話が本書で掲載をされているのですが、おめでとう。と言う態度を取りながらも、不吉な。。。と言う事を想定をしているのが当時の人々の心境だったみたいなのですが、思い返してみると権力者の子供なんか、歴史上多数いたはずなのですが、双子の話すら聞かないですよね?なかった事にして、片方は消されていたのでしょうかね?それこそ戦国時代なんて、影武者として打ってつけの存在になりそうな気持ちもするのですが、聞いたり、そうした書籍を見た事がないですね。
三つ子は、かなり珍しい。としても、双子程度であれば、それなり以上の武家や公家、それこそ天皇家の世界でも、それなりにいたはずなのですが、うーん。どうなっているのでしょうかね?この点が自分の中では疑問として残りましたが、この辺りは本書がきっかけで疑問を感じただけで、本書の内容とは関係ないです。
個人的には結構読んで良かったと思えた作品ですね。文化的な側面から鎌倉について読んでみたい!と思っている人にはピンポイントとなる作品となります。
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