内容(「BOOK」データベースより)
旅する巨人、旅のすべてを語る。日本人はどこから来たか、に始まるさまざまな旅。騎馬民族説から、旅と伝説、高野聖と平家部落、道の文化史、海と日本人、漁村と港町…など、宮本民俗学の真髄がここに。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
宮本/常一
1907年、山口県周防大島生まれ。民俗学者。大阪府立天王寺師範学校卒業。大阪で郵便局員、小学校教諭を務めた後、渋沢敬三主宰のアチック・ミューゼアムに所属。武蔵野美術大学教授、日本常民文化研究所理事、日本観光文化研究所所長なども務めた。文学博士。1981年没。著書に『日本の離島』(日本エッセイストクラブ賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
宮本常一との対談形式
本書は宮本常一先生が色々な作家さんを中心とした方々と対談形式で話をしているのが収録をされている作品となります。対談をされている人物は以下となります。
・筑波常治
・秋元松代
・丸谷才一、紀野一義
・江上波夫、国分直一
・水上勉
・松谷みよ子、松永伍一
・杉本苑子
・中西睦
・河野通博
・山崎明子、茂在寅男
・荒垣秀雄
と言う事で、ページ数の割には、対談相手自体が非常に多くなります。対談形式となっているので、文章としては読みやすいのですが、一つのテーマについては、そこまで深くは掘り下げられていません。と言いましても、宮本常一作品としては。ですかね。普通に考えて充分過ぎるほどの濃密さは出ている作品となっています。
自分に取って、馴染みがあるのが、熊谷直実になるのですが、長野県坂部に子孫の部落がある。と言う話ですかね。何で?熊谷直実って熊谷を追放されたんだっけ?と疑問に感じました。馴染みはあるけれど、そこまで直実については知らないので、この辺りをちょっと自分の今後の勉強課題にしておきたいですね。
その他、牛の話が面白かったですね。南部鉄と言うのが、今も有名ですが、昔も鉄の産地として有名だった。その南部鉄を江戸に運ぶのに、南部牛を使っていた。鉄を江戸で売りさばいたりしたら、もう運搬用としての牛が要らないから、ついでに牛も売ってしまう。そうしたら、関東の牛は南部牛だらけになってしまった。と言うのは、そりゃそうなんだろうけれども、普及の仕方が案外と雑でしたね。でも、面白い話でしたね。
他にも面白い話は沢山ありますが、テーマがかなり細かく別れていますので、実際に読んで頂いて、自分の興味のあるジャンルを探すのに役立ててみて下さい。
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