内容紹介
国家の基幹統計が都合よく歪められている!第二次安倍政権の発足以降、わかっているだけでも53件の統計手法が見直され、そのうち38件がGDPに影響を及ぼしている。
賃金や消費などの基幹統計は、国民生活と密接に結びついたものである。手法の変更によりかさ上げされた数字では連続性がなく、もはや統計の意味をなさない。
これは「統計破壊」と呼ぶべき異常事態である。
この問題をいち早く追及し国会でも公述した著者が、公的データをもとに統計破壊の実態を暴く。(目次より抜粋)
第1章 「賃金21年ぶりの伸び率」という大ウソ
賃金の異常な伸び/統計委員会も「実態を表していない」と認める ほか第2章 隠れた「かさ上げ」
無断で3分の1抽出&こっそり復元/戦後最悪の実質消費停滞 ほか第3章 隠される真の実質賃金伸び率
野党合同ヒアリングでの攻防/公述人として国会に立つ ほか第4章 「かさ上げ」の真の原因
常用労働者の定義を変更して「日雇外し」/日雇外しでどれくらい平均賃金が上がるのか ほか第5章 誰が数字をいじらせたのか
専門家の結論を官邸が捻じ曲げる/麻生財務大臣の「鶴の一声」 ほか第6章 「ソノタノミクス」でGDPかさ上げ
アベノミクスがもたらした悲惨な「結果」/GDP改定でアベノミクス以降のみ「異常なかさ上げ」/家計消費の衝撃的かさ上げ/家計調査も実は水増し ほか第7章 安倍総理の自慢を徹底的に論破する
総雇用者所得/就業者数/失業率と有効求人倍率 ほか第8章 どうしてこんなにやりたい放題になるのか
野党は賃上げを争点に/残業代支払い逃れの制度を廃止せよ ほか●プロフィール
明石順平(あかし じゅんぺい)
弁護士。1984年、和歌山県生まれ、栃木県育ち。東京都立大学法学部、法政大学法科大学院を卒業。主に労働事件、消費者被害事件を担当。ブラック企業被害対策弁護団所属。
著書に、アベノミクスの失敗や日本財政の問題点を、客観的なデータを用いて指摘した『アベノミクスによろしく』『データが語る日本財政の未来』(共にインターナショナル新書)がある。
内容(「BOOK」データベースより)
第二次安倍政権の発足以降、わかっているだけでも53件の統計手法が見直され、そのうち38件がGDPに影響している。賃金や消費などの国家の基幹統計は、国民生活と密接に結びついたものである。厚労省や内閣府などが手法を変更し、かさ上げした数字では連続性がなく、もはや統計の意味をなさない。これは「統計破壊」と呼ぶべき異常事態である。この問題をいち早く追及し国会でも公述した著者が、公的データをもとに統計破壊の実態を暴く。著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
明石/順平
弁護士。1984年、和歌山県生まれ、栃木県育ち。東京都立大学法学部、法政大学法科大学院を卒業。主に労働事件、消費者被害事件を担当。ブラック企業被害対策弁護団所属(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
アベノミクスを粉砕し過ぎているので、話題にあまりならない本
世の中には色々な人がいる訳でして、根本的に安倍政権を否定したい人もいて、そうした人の書籍だと、やや感情的になってしまい、同意を得られないケースが多いですかね。アベノミクスとか言ってるけれども、空前絶後の不況を起こしてくれたよ。本当にありがとうございます。と言う内容の書籍になりますので、現政権の経済政策を真っ向から否定をしている内容となりますので、政治的なスタンスのある書籍になります。
なので、自分の政治的スタンスも書いておかないとフェアではないので、こうした政治を扱っている書籍の紹介では、概ね全てに書いていると思いますが、私自身は安倍政権に批判的です。もう安倍政権を熱心に支持をしている人すら気持ち悪いと思える位です。そもそも野党時代の自民党総裁選で、画期的な薬が出来た。と嘘を付いた時点から、口を開けば嘘をつくやつだ。と思っていたので、不信感がありましたが、与党で総理になってからは、もう酷いよね。嘘ばかりだよ。
で、本書で扱っているアベノミクスと言うやつですが、私自身は別に数字に極端に弱い訳でもなんでもないので、読んで理解をする事は概ね出来たのですが、それよりも、この書籍を読む前から、アベノミクスが破綻をしている事自体は理解をしていました。僕自身は数字とかも大事にしますが、そうではなく、自分の知見を大事にしています。電車に乗っても、広告がリーマンショック前のように埋まっているのを見た事もなければ、近所のい会社が倒産をして次が埋まらなくなったり、飲食店に行けば、客が少なくなっていたり。と地域のよる影響も確実にあるとは思いますが、取りあえず身の回りでは景気の良い話なんて何もなかったですからね。
そもそも年金を株にぶちこんで、株価を上げれば景気が良くなる。とか、そんな感じで、アベノミクスってヤツはスタートをした。と記憶をしていますが、何でそれで景気が良くなると思ってるの?と言うレベルで従来の景気が良くなるサイクルの常識とあまりにもかけ離れていたので、理解すら出来なかったのですが、案の定失敗してたよね。と言う感じです。
久々に硬派はスタイルだった
著者の明石さんが、どの政党を支持しているのか?とか、そんな事は分からないです。あくまでも経済政策一本について書かれている内容となります。なんでしたら、僕自身もそうですが、自民党だけは絶対にダメだ。と言うスタンスでもないです。取りあえず安倍はダメだ。嘘を付き過ぎた。一つ一つの嘘を取りあえず一旦棚に上げておいて、客観的に見ても良いけれど、この安倍政権ってやつは、これまであり得なかった公文書の偽造とか、あり得ない事が次々と起こり過ぎている。と言う感じですかね。
明石さんのスタイルに好感が持てるのは、きちんと誠実な所です。少し前と言っても、もう10年以上前になるのですが、世の中から誠実な分析をする人が増えましたよね。今回のアベノミクスとは直接関係はありませんが、企業の採用数はバブル並となっていて、大学が増えて学生数が増えたから大学の内定率が下がったんだ。と主張をしている人がメディアで正義のようになっていましたが、バブルの頃は1万人採用をする!となっていたら、9000人位が採用をされていて、当時は1万人採用をする!と企業が言っても、実際に採用をされていたのは、5000人とかでした。要するに実際に採用をされている学生の数はバブルの半分程度なのに、そこのデータは目を向けないで、企業が出している募集人数だけで、学生が増え過ぎたのが悪い。とかの論調にしているのね。
こうした誠実とは言えない、都合の良いデータだけで主張をして、さも、正しいみたいな事を言っている人が大部増えてしまったので、本書の明石さんは、きちんとデータを連動させてくれています。
一例として、騙されている人も多いと思いますが、実質賃金が減少をしている。本当は増えていたはずなのに、偽装をしていました。と言う話でしたが、まだ皆さん覚えていますか?年金問題でもう忘れていた。と言う人も多いと思いますが、一応はアベノミクス応援隊も実質賃金が減少をしているのは渋々ながら認めているみたいですが、それは新しい雇用者が増えて、スタートは賃金が安いから実質賃金が減少をしているんだ!左翼に騙されるな!とホームラン級のバカさを見せてくれているのですが、すでに働いていた人の実質賃金も物価上昇率に追いついていない状態となるので、減少をしているのを明石さんが順を追って説明をしてくれています。
基本的には、他にも安倍政権を批判している書籍の紹介もしていて、逆に安倍政権の擁護を通り越して、大絶賛をしている書籍の紹介をしていませんので、このページを見ている人の中に、安倍政権擁護派の人は少ないと思いますが、是非とも試しに読んでみて下さい。安倍政権擁護をしている人が、どんな情報に普段から接しているのか分かりませんが、たまには反対意見を聞いてみるのも良いと思います。
反対に、真面目に安倍政権を擁護している書籍がありましたら、教えて下さい。コピペでファンタジーを書いて、精神的な勝利。とか、そうした書籍は読むつもりはないです。その著者の書籍を読んだ事自体はありますが、なんかもう、空想の自慰行為を読まされている印象を受けて、苦手です。
元々、著者はアベノミクスに宜しくで有名になった。と個人的には思っているのですが、そちらは時間が少し経過をしているので、今更感もありますのでスルーしてしまうと思いますが、データが語る日本財政の未来は面白そう。と言えば語弊があるかもしれませんが、本書を読んだ限りでは誠実にデータと向き合っている方になりますので、読んでみたいと思います。
著作である明石順平さんの関連リンク
あれだよね。アベノミクス応援隊の人って、物事を複合的に考えるのが苦手なのかな?と思います。民主党政権については個人的にもガッカリさせて貰いましたが、初期に掲げていた経済政策自体は、別に悪いものではなかったと思いますし、当時を、きちんと覚えている人は少ないと思いますが、当時はドル安で物価上昇率を吸収してくれていたので、リーマンショックで首になった人はご愁傷様。と言う事になってしまいますが、残れた人の生活自体は、そこまで悪くなかったと思いますよ。
自民党に戻って一気に円安政策にして、物価上昇率が急激に上がった。これは数字で云々の解説をする必要性を感じないレベルで、一般的に自分で買い物をしていた人であれば、実感をしたと思います。それでいて給料が上がったか?と言えば、そうではなかったですよね。
本書でも書かれていますが、雇用者数が増えた!と言うのは、主に介護で、これもアベノミクスは全く関係ないですよ。ちなみに私の地元で合同採用イベントみたいなのがありまして、どんな業種だろう?と思ったら、近所に工場とかも結構あるはずなのに、出店企業は介護のみでした。正直に言えば、もう一つ、ゴルフのキャディの募集も一件だけありました。何年働いても給料が増えないイメージの仕事だけでしたね。
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