第三次世界大戦はもう始まっている

ロシアによるウクライナ侵攻を受けての緊急出版。
戦争を仕掛けたのは、プーチンでなく、米国とNATOだ。
「プーチンは、かつてのソ連やロシア帝国の復活を目論んでいて、東欧全体を支配しようとしている。ウクライナで終わりではない。その後は、ポーランドやバルト三国に侵攻する。ゆえにウクライナ問題でプーチンと交渉し、妥協することは、融和的態度で結局ヒトラーの暴走を許した1938年のミュンヘン会議の二の舞になる」――西側メディアでは、日々こう語られているが、「ウクライナのNATO入りは絶対に許さない」とロシアは明確な警告を発してきたのにもかかわらず、西側がこれを無視したことが、今回の戦争の要因だ。
ウクライナは正式にはNATOに加盟していないが、ロシアの侵攻が始まる前の段階で、ウクライナは「NATOの〝事実上〟の加盟国」になっていた。米英が、高性能の兵器を大量に送り、軍事顧問団も派遣して、ウクライナを「武装化」していたからだ。現在、ロシア軍の攻勢を止めるほどの力を見せているのは、米英によって効果的に増強されていたからだ。
ロシアが看過できなかったのは、この「武装化」がクリミアとドンバス地方の奪還を目指すものだったからだ。「我々はスターリンの誤りを繰り返してはいけない。手遅れになる前に行動しなければならない」とプーチンは発言していた。つまり、軍事上、今回のロシアの侵攻の目的は、何よりも日増しに強くなるウクライナ軍を手遅れになる前に破壊することにあった。
ウクライナ問題は、元来は、国境の修正という「ローカルな問題」だったが、米国はウクライナを「武装化」して「NATOの事実上の加盟国」としていたわけで、この米国の政策によって、ウクライナ問題は「グローバル化=世界戦争化」した。
いま人々は「世界は第三次世界大戦に向かっている」と話しているが、むしろ「すでに第三次世界大戦は始まった」。ウクライナ軍は米英によってつくられ、米国の軍事衛星に支えられた軍隊で、その意味で、ロシアと米国はすでに軍事的に衝突しているからだ。ただ、米国は、自国民の死者を出したくないだけだ。
ウクライナ人は、「米国や英国が自分たちを守ってくれる」と思っていたのに、そこまでではなかったことに驚いているはずだ。ロシアの侵攻が始まると、米英の軍事顧問団は、大量の武器だけ置いてポーランドに逃げてしまった。米国はウクライナ人を〝人間の盾〟にしてロシアと戦っているのだ。

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戦争の原因と責任はアメリカとNATOにる

他のページでも書いているかな？テレビが壊れて数ヶ月。別に情報自体を常に取り入れていきたい。と言う気持ちが薄れてきているので、もうテレビなんてなくて良いや！その代わり、スマートテレビと言うのを購入を検討しているのですが、取りあえず、ウクライナ情勢についての話については、常に最新の情報を個人的には、追いかけていません。その事を前提にしてもらえたらと思います。

ウクライナに限らずですが、政治情勢など、それなり以上に大事なニュースになると、報道関係で仕事をしている知人から、情報を勝手に送って頂けるので、へー。今はそうなっているんだ。となりますので、要所要所のポイントの情報は多分ですが、追いかけているのではないか？と思います。2023年の2月時点ですが、アメリカを筆頭により最新鋭の武器をウクライナに送って支援をしている。と言う事で合っていますかね？

今作は、エマニュエル・トッドの作品となり、帯には現代最高の知性と書かれており、多分、同じ出版社でも、同じセリフを書いている知識人は他にもいるのかな？と思いますが、とにかく現代最高の知性の一人である事は異論はない方になると思います。

冒頭の部分で、今回の本の出版については、ヨーロッパで発表をすると、ヒステリックな現象が起こる事を考慮して、日本を安全な逃げ先として、請け負った事が書かれています。そうした事で、もう何となく方向性が見えて来る方もいると思いますが、私個人もエマニュエル・トッドと、ほぼ同じ考えですね。一言で言えば、悪いはヨーロッパの一部の国とアメリカだろ？と言う形になります。戦争を始めた責任。と言う事では、以下の文章があります。

もし『戦争』をさまざまな理由から始める国の指導者を裁きたいのなら、まず裁くべきはジョージ・Ｗ・ブッシュではないでしょうか？まともな理由もなしに戦争を始め、ロシアがウクライナでしている以上に醜悪な行為をアメリカはイラクでやってきたからです。
本書　59ページ

本当にまさにそう。ロシアがウクライナに進行をして、突然、ウクライナの場所なんて知らない連中が発狂するかのように、ロシアを批判していましたが、イラク戦争の時に、アメリカの支援に加担をした国の一つが日本であり、イラク戦争で言えば、加害者の一つの国である。と言うそこまで昔ではないはずの話を皆さん、忘れたのでしょうかね？

ちょっと重複をしているような事をすでにアップをしている以下の記事でも書いています。

ウクライナ危機後の世界

ロシアのウクライナ進行については、それぞれがそれぞれなりの価値観で判断をして頂ければ良いと思いますが、少なくとも、日本で報道をされている内容を鵜吞みにしている程度の情報では判断をしない方が良いです。理由はシンプルで、ロシアが進行を開始した時点では私個人もニュース蛮組を通してみていたのですが、経済的に大学なりで依拠をしている方がほとんど。と言うか、全員だと思います。

こうしたケースの場合、経済的に依拠している先にクレームがいくような発言は出来なくなります。アゾフ大隊の件についても、はっきりとナチスと言った方は、私の記憶の限りでは日本の番組ではありません。しかし、エマニュエル・トッドは、エマニュエル・トッドになりますので、特定のどこかに経済的に依拠をしている訳でもないですし、なんでしたら、もう引退をしても、悠々自適な残りの人生が待っていますので、ズバズバと日本の専門家が本当は知っていたけれども、言えなかった話などを書いてくれています。

とにかくロシアが悪いんだ！と言う方であれば、認めたくない話が書かれていて、手に取る事もないでしょうが、もっとクールに今回の現在も続いている、ウクライナとロシアの戦争について、考えるきっかけが欲しい方には、非常にオススメをしたい作品となっているのが本書となります。

私個人としては、エマニュエル・トッドのファンとなりまして、全部ではないのですが、文庫本として登場をしている作品は概ね、全てに近いレベルで読んでいると思います。そうした成果なのか？考え方が、エマニュエル・トッドに近づいた。と書いてしまうと、大変おこがましいのですが、初期の頃では、難しい話で、いまいち理解できないぞ。と言う状態でしたが、今作については、もうほぼ理解をする事が出来たのではないか？と自分では考えています。色々な本を読んできて良かった！と思える瞬間の一つになりますかね。

内容としては、ウクライナとロシアの戦争の事だけはなく、その側面の部分についても書かれていて、非常に勉強になります。例えばGDPの話ですが、アメリカは訴訟国家として有名になるかと思いますが、弁護士費用も高額になります。訴訟国家ですから、当然件数も多い。そうした弁護士の賃金についてもGDPに計上をされている。片や日本の場合には、訴訟がそこまで多い訳でもないですい、アメリカ程、弁護士の費用や報酬も高額とはなっていないため、その部分ではGDPには大差がついている状態となります。果たして、どちらが国家として健全性があるのか？また、そのGDPは果たして、本当に価値のあるGDPとなりえるのか？そうした、お！確かに！と思える、話もあったり、勉強になりました。

もちろん、人口学者としてのエマニュエル・トッドの見解もあり、他のウクライナの事を扱っている本では、まず見ることが出来ないだろう、家族構成や家族制度の話から分析をしていたり、非常に唯意義な内容の事が書かれています。

この事自体は本書でも少し似たような事が書かれているのですが、民主主義と資本主義は、やはり食い合わせが悪いのではないでしょうかね？アメリカの民主主義はすでに金権民主主義となっていて、本来的な民主主義とは違う形となっていますし、日本のケースの場合であれば、内田樹先生の書籍にも書かれているのですが、中流を破壊すれば、自民党と公明党、そして統一教会のタッグで盤石な体制を築く事が出来る。と言う形となり、やはりこれも民主主義か？と思える形となります。詳しくは内田樹先生の本を探して下さい。となるのですが、金持ちは自民党を支持する。言葉を選ばないで言えば、貧乏人は、選挙に行く暇がないから棄権して自民党を応援する。下手したら、貧乏には辛い事をしますよ！と言う自民党を支持する。結局、中産階級が一番多いと、考える余裕もあり、選挙になると、自民党以外を選ぶ可能性が出てくるから、それを潰す。と言う話になっていたと思います。

今は岸田政権となりますが、防衛費を上げる。と言う話で、増税となっていて、テレビなどのメディアも増税を全面に出していますが、増税の内容は主に富裕層への課税強化となるのですが、猛烈に反対をしたのは高市早苗（統一教会とべったり派閥）であったり、維新の会などの、金持ちに課税させるなんて、とんでもない！と言う政党ですね。共産党が反対をしているのは、シンプルに他にもっと予算を回せ。と言う話でしょう。テレビはスポンサーがありますから、増税！と言う言葉を全面に出して、大手企業に配慮をした形となり、細かい増税の内容については、ほとんど伝えていないのかな？と思います。

ある程度、自分の中で、ウクライナ戦争が始まってから調べたりもしていたので、特に全く不明の話。と言うのは少なく、比較的スラスラと読む事が出来て、一日で充分に読み終える事が出来ました。流石だぜ！エマニュエル・トッド！と読み終わった後に、何だか気分は良くなりましたね。ただ、方向性としては、本書でも予測として書かれている悪い方向に向かっているのが、なんもいえねー。と言う気持ちになります。