カラマーゾフの兄弟―まんがで読破 文庫

カラマーゾフの兄弟―まんがで読破 文庫
カラマーゾフの兄弟―まんがで読破 文庫

妖艶な美女を奪い合い、長男ドミトリーと淫蕩な父親フョードルが激しくいがみ合う。 家族のことに無関心な次男のイワンと心を痛める三男アレクセイ。 親子の確執は激しさを増し、悲劇は起こる。 信仰や死、国家と教会、貧困、父子・兄弟関係など深遠なテーマを含む人間ドラマ。 現代の預言者ドストエフスキー生涯最後の作品を漫画化。

なるほど!文豪ですな!

読むのに非常に大きなエネルギーを要する。と言う事で古典小説界隈では、難攻不落の作品の一つとされている、カラマーゾフの兄弟になりますが、あえて難攻不落に挑戦をするのを避けて、こうしたコミカライズ版を読ませて頂きました。細かい点など、あの文章良かったよね!と小説を読んだ方々とは少し違う形になってしまいますが、大まかなストーリー自体は同じと信じています。

さて、そんなカラマーゾフ兄弟をコミカライズ版とは言え、読んでみたのですが、これが面白い!最近の小説家の作品で特にそこまで高齢ではない小説家の場合には、見方によってはウザイ。と思われてしまいがちな、怨念のような執念が込められている作品をほぼ見かける事がないのですが、カラマーゾフの兄弟の著者である、ドストエフスキーの今作では充分に込められていますね。

少し前に、やはりそれも漫画で。という形とはなりましたが、世界史の歴史の本をさっ!と読んで復習をしてみたのですが、帝政ロシア時代の農奴解放についてですね。この辺りはアメリカと同じで、奴隷の間は、飯ぐらいは食わせてやらんと死んでしまうと、言い方が悪いのですが、奴隷は財産ですから、女性の場合には、白人男性が黒人女性と性的交渉を持って、子供を産ませて奴隷を増やしたり。としていたのですが、奴隷は解放をされたら、誰も生活面での保証を見てくれなくなります。

カラマーゾフ兄弟の舞台は帝政ロシア時代の話になりますので、アメリカの話とはケースはもちろん違いますが、アメリカの奴隷解放は響きは良いかもしれませんが、賃金を圧縮させる為の経済界からの要請もあった。と言う話を聞いたりした事があります。

で、こちらの帝政ロシア時代の農奴解放ですが、結局は奴隷から解放をされても、生活は全く良くならず、せいぜいが仕える貴族を選ぶ権利をもらえた。と言う程度の話ですかね?苦しい生活を送っているのが描かれています。

こうした背景があったからこそ、帝政ロシアは、共産党革命が起こりやすい下地があったんだろう。と推測をする事が出来る作品となります。もちろん小説の内容自体はフィクションとなりますが、ドストエフスキー自身が生きていた時代。そして何よりもドストエフスキー自体が、共産党員扱いをされて、逮捕をされていたり、貴族主義に対して反抗的な態度があったものと思います。

作品の構成であったり、落ちとしても、え?となる展開が用意をされていて、これを小説で読むのは少し。と言うか、かなりの時間を要するのかもしれませんが、非常に面白い作品となっていました。あんまり小説で長いと、読んでいて、最初の部分を次々とと忘れてしまうので、そうした事がない人は小説で読んで貰いたいかな?と別に小説で読んだ訳でもないのに思いました。
取りあえず、罪と罰などの他の代表作品もありますが、ドストエフスキーが文豪と呼ばれているのが理解をするには充分な良い作品でしたね。

カラマーゾフの兄弟―まんがで読破 文庫を読んでみよう

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください