内容紹介
教科書では学べない、人々の息づかい、生きた歴史がここに―――出版社、掲載誌の枠を超えて収載した奇跡のシリーズ第2弾は「日本の歴史」。
時代時代に生きる人々の生活やできごと、事件。
学びの対象となった歴史の中で、まるで止まってしまったように見えるそれら人々の存在を漫画で描くことで、漫画家たちは再び躍動する生命へと変えました。
基本的な史実はおさえつつ大胆な脚色を加えた漫画ならではの物語は、
人間の息吹や喜怒哀楽、戦場の血なまぐささまで、読者に五感で歴史を感じさせます。
漫画家たちが描くと歴史はこんなにおもしろくなるのです。関ヶ原の合戦から徳川時代の終わりまで。男たちの生き様を描く。
【収録作品】
■ 岩明均『雪の峠』
■ さいとう・たかを『世なおし不動と会う』(「無用ノ介」より)
■ 星野之宣『鎖の国』
■ 赤目プロ『源とツグミ』
■ みなもと太郎『チャカポンくん』(「風雲児外伝」より)
■ 横山光輝『飛猿斬り』著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
中野/晴行
和歌山大学経済学部卒業後、1993年に『手塚治虫と路地裏のマンガたち』(筑摩書房)で単行本デビュー。『マンガ産業論』(同)で日本出版学会賞奨励賞、日本児童文学学会奨励賞を受賞。『謎のマンガ家・酒井七馬伝』(同)で日本漫画家協会特別賞を受賞。京都精華大学マンガ学部客員教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
今作は割と面白かったですよ
初っぱな、岩明均先生になるのですが、武州松山城が登場となり、東松山市民の俺氏歓喜となります。上杉謙信が援軍で動いていたのですが、間に合わなず、後ちょっとの所で松山城は北条に降伏。預かっていた松山城の子供を上杉謙信が容赦なくぶった切るシーンがバッチリと書かれています。
軽く全作品の感想を書いておきたいと思います。
雪の峠
面白い。佐竹が支配地域の変更を余儀なくされて、新しい都をどこにするか?と言う歴史的に見て、凄くマイナーな部分を中心に扱っているのですが、それぞれの思惑が絡んでいて、こうした事でも色々と画策をしないといけないんだな。と言うのが分かりました。岩明先生の作品で絵柄も見やすくてスイスイと読む事が出来ました。
世なおし不動と会う
さいとう・たかをらしい時代劇物の作品でした。実際にどこまでこうした辻斬りと賞金稼ぎがいたのかは不明ですが、当時の江戸時代の人達の暮らしを少し垣間見る事が出来る作品となっていました。
鎖の国
平賀源内のストーリーで実は兄弟だった。と言う形で展開をされています。この作品自体はフィクションになるのですが、考えてみると平賀源内の最後は知らなかったのですが、最後は狂ったらしく町人を切りつけて逮捕をされて獄中で死んだみたいです。どうして狂ったのか?などは不明なのですが、そうした不明な点から漫画家の星野さんがストーリーを膨らませています。接点を繋げた形ですね。結構面白い作品でした。
源とツグミ
仇討ちを題材とした冒頭部分のみが掲載をされているみたいです。道理で読んでも意味が良く分からない作品だと思いました。絵柄的にも見にくい訳ではないのですが、あんまり好きにはなれないですかね。そこそこの作品ですが、全体が分からないので何とも言えないです。
チャカポンくん
井伊直弼を題材にした短編漫画。うーん。特に何の感想もわいてこないのですが、井伊直弼を題材にした漫画なんてあったんだ?そして良く書こうと思ったな。と思いました。
飛猿斬り
実在した武将、山田や天狗党を題材にした話です。良く分からないのが、刀は何人か切ると人の油で切れなくなる。と言うリアルな事を書いているのに、木から木へと飛び回る、いや、そりゃ無理だろう。と言う内容を詰め込んでいる点ですね。妙にリアルな設定にフィクションを織り交ぜている感じでした。でも内容としては面白かつたです。
全体的に今作は当たりですね。題材が武士の誇りと言う事で面白い作品も多く、面白い作品を選びやすかったのかもしれません。
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