安楽死を遂げた日本人(小学館文庫)

安楽死を遂げた日本人
安楽死を遂げた日本人(小学館文庫)

NHKスペシャルで大反響

ある日、筆者に一通のメールが届いた。
〈寝たきりになる前に自分の人生を閉じることを願います〉
送り主は、神経難病を患う女性だった。全身の自由を奪われ、寝たきりになる前にスイスの安楽死団体に入会し、死を遂げたいという。実際に筆者が面会すると、彼女はこう語った。
「死にたくても死ねない私にとって、安楽死はお守りのようなものです。安楽死は私に残された最後の希望の光です」
日本人が安楽死を実現するには、スイスに向かうしかない。お金も時間もかかる。ハードルはあまりに高かった。だが、彼女の強い思いは海を越え、人々を動かしていく。

〈本作を読んだ多くの方が考えただろうことを、私も考えた。もし小島ミナと同じ境遇に置かれたら、はたしてどのような選択をするだろうか、と。
著者が作中で記しているように、現にそうした状況に直面したわけでもない者の考えなど、しょせんは切迫感に欠けた想像や推測の類にすぎない。ただ、それでも考えてしまう。彼女のように安楽死を望み、それを選択するだろうか、と〉――解説:青木理

【編集担当からのおすすめ情報】
講談社ノンフィクション賞を受賞した『安楽死を遂げるまで』の続編です。本作に登場する日本人女性は、NHKスペシャルでも特集され、大反響をよびました。

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前作『安楽死を遂げるまで』を読んでからの方が良い

どちらも文庫化をされてから購入となります。単行本では表紙がどうなっていたの?分からない部分もあるのですが、前作の『 安楽死を遂げるまで 』については、今作を購入する予定だったのが、間違えて購入をしてしまいました。タイトルを何となく覚えて、出版社も覚えて、表紙の構図を覚えて、本屋さんに行き、これだ!と見つけてレジで購入。自宅に戻って、さー読んでみるか!となって、よっく見たら違うじゃねーかよ!となったのですが、これが結果としては良かったですね。

ちなみに前作の『 安楽死を遂げるまで 』の感想なり、表紙については以下の感じになります。

安楽死を遂げるまで(読むべき作品)

似ているますよね?その後、再度購入をする為に、今度は別の本屋さんでしたが、行った時に探しても見つからなかったので、書店員さんに相談をして持ってきて貰ったら、また前作でした。

違うんですよねー。これじゃないですよ。よっく見ると違うでしょう?と言う事で、書店員さんも間違えるレベル。新書コーナーに置いてありました。と言う事で、正しい方を持ってきてくれて、ようやく読む事が出来ました。

で、今作ですが、前作も読んで頂いた方が良いです。文庫化をされたのも、単行本をされて、今作が出て以降の話が掲載をされているのもあるのですが、話として登場をしている人が重なっている部分があります。

前作でも中心的な人物であった、ブライシック先生が今作でも登場をしています。そもそも前作が発表をされた事によって、今作に繋がっているので、しっかりと連続性を持っている作品となります。フィクションであればまだしも、ノンフィクションで、こうした形でしっかりと繋がった作品。と言うのも何となくですが、珍しい気もします。

作中に登場をしている方々のTwitter等

ちょっと今回は、色々と情報量を増やしていきたいと思います。私自身も読んで色々と考えさせられたのですが、まずは、登場をしている方々のTwitterやサイトや記事の紹介をしていきたいと思います。日本で一番、『安楽死を遂げた日本人』の情報が豊富なページをまずは目指したいですね。

読んだ方であれば、名前を見れば全員分かると思います。本書の中では、途中で止まっていましたが、方向性としては変わっていないのかな?と思いますが、中盤で登場をしている、臼井さんも会社を立ち上げて、その手前?と言う印象を受けるサービスを展開しているみたいですね。

そして、幡野さん!まだ生きていた!生きていたぞ!なお、こちらのページは、更新予定とかはありません。もう、それ以上は書きません。

安楽死を遂げた日本人の関連記事

こちら、以下は関連記事と、本書の中心人物であります、小島ミナさんのブログの紹介もしておきたいと思います。現在は本書でも登場をしているお姉さん達が時折更新をしているのかな?と思います。

他人事と思えない

前作を読ませて頂き、余りにも重い内容となりまして、精神が摩耗をしたので少し回復に時間を充てる為、意図的にライトな本を消化しつつ、本書を読み初めました。

少し前に安楽死を選んだ日本人がスイスで安楽死を遂げた。そんな話をニュースなどで聞いた人も多いと思います。私自身もその一人で、何となく記事もチラッと見たりしていたのですが、全く別の書籍を読んでいた時に、本書が文庫化をされる。と言う宣伝ですかね?それを見て、あーー。と想い出しましたね。それで購入をしたんですけれどね。

で、読みました。まず、ビックリしたのですが、本書の中心人物となる女性。結果として安楽死をする事を選び、無事に思いを遂げる事が出来たのですが、その女性の苗字が自分と同じなんですよね。

これは私自身の話で、本書そのものとは全く関係がない話となるのですが、脱毛症全身汎発型を発症していて、ステロイドをガンガン飲んでいます。多少の知識がある人であれば、ステロイドなんて薬は寿命をガリガリと削る薬で、かつ病気の根治をする訳ではなく、あくまでも症状を抑えるだけの効果しかありません。

脱毛症全身汎発型なんてのは、死因になる事はないのですが、治る事もない。一方、本書で登場をしている小島ミナさんも、AMS(多系統萎縮症)と言う病気で、体を動かせなくなる。治る見込みもない。かと言って、それが死因になる事も、恐らくはない。この辺りは私自身は医学の知識はないので、はっきりとした事は分からないのですが、所謂ガンなどのように、余命が何年。と言う事も、全般的に何とも言えない病気になります。

全然、レベルが違う話になるのですが、死ぬ訳ではない。かと言っても、ライフ・オブ・クオリティーと言うのを著しく下げる点では似ている部分もあると思います。一応、書いておきますが、私自身はこの現在発症をしている病気で安楽死を選ぶ予定はないです。同じ苗字だし、極めてライトとは言え、残りの人生を楽しく生きる。と言う事を病気によって大幅に毀損されてしまった。と言う点では似ている部分もあるのかな?と思いまして、前作で読んだ安楽死を選んだ外国人よりも、大幅に感情移入をしてしていました。

読んで頂ければ分かる話になるのですが、安楽死に至るまでの日程が急速にテンポを早めていく形になります。読んでいた途中の段階で、残りのページの分量を考えながら、まだ時間があるのだろう。と考えていたら、急展開となり、小島ミナさんは結果として安楽死に至りました。

なんかもうね、泣いてしまいましたね。安楽死を選ぶにしても、こんな急展開になるの?日本からスイスへ行かなければならない。とか、色々と条件があるにしても、もう少しスケジュールとして、ゆとりが欲しかったですよね。

嘘でしょう?嘘でしょう?と読みながら思っているうちに、急速に安楽死の準備が整えられていき、その日を迎えました。何を持ってして、無駄になるかどうか?線引きが難しいのですが、私個人が、同じ苗字の方が安楽死を選び実行をした。と言う事で、これまで以上に安楽死について考えるきっかけになりました。完全にドブに捨てない為にも、せめて小島ミナさんが読まれていた、『光の人』については、今度機会がありましたら、読ませて頂きたいですね。

幡野広志さんと、根本的には一緒

本書の中で登場をしている幡野さんと著者である宮下さんのやり取りで以下の部分があります。

『でも、お母さんは看病したいって思うわけじゃないですか?』
顔色一つ変えず、『うんうん』と言って、幡野は持論を主張する。
『してあげたいでしょうね。でも、それは自分がやりたいことで、僕がしてほしいことではない。それは残念だけど、ちょっと違うんです。言葉が悪いけど、ありがた迷惑になってしまう。自分のためにしたいことをする人って多いですよね』

安楽死を遂げた日本人(p.314)

この部分、私自身は完全に幡野さんに同意しますね。でも、著者である宮下さんには、本当は寂しさを抱えている。と喝破をされてしまっている。そうなのかもしれない。きっとそうなんでしょうね。でも、その寂しさを潤す方法が分からないのです。

上記の部分ですが、本当に小さな話で言えば、子供の頃に誰しもが、親に勝手に部屋の掃除をされた事があると思います。その時に勝手に掃除するな!と言っても、してやってるんだよ!と言われた事が大半なのではないでしょうか?私自身もそうした経験があるのですが、親から見れば何で掃除しないの?となるのでしょうが、気にしていないから。なんですよね。それを勝手にやられて、恩着がましい事を言われると嫌な気分になるじゃないですか?

看病とか、病気になった時って、部屋の掃除の物凄くレベルが上がった状態になるのかな?と私は思うんですよね。やって貰いたい事をやって貰えたら、それは素直に助かるのですが、やらなくても気にもしていない事や、やめて貰いたい事をやられて、やってやってるんだよ。みたいな態度をされたら、こちらも余裕がどこかしらなくなっている状態になりますので、激しい衝突になり、相手に対して嫌悪感を覚えるんですよね。

個人的な具体的な事例としては、紹介をしなくても良かろう。と思いますので書いたりしませんが、人と人が本当に相手の事を見て、行動をする事が出来るか?やはり、残念な事に、そこには個人差が非常に大きいと思います。幾ら言葉で伝えても通じない人には通じませんし、それが身内である時には、しんどくて仕方がないんですよね。

死に方は中々選べない

安楽死と言う選択肢が取れるようになれば、精神的に救われる人も多くなるのは間違いないのでしょうが、現時点での日本での安楽死の導入については、私自身は反対です。それは上に紹介をしている前作の感想でも書いているのですが、やはり今作を読んでも考え自体は変わらないですね。安楽死については賛成だけれども、現時点での日本では反対。

これは死刑制度についても同じですね。安楽死を導入している国では死刑制度自体が廃止になっていることが、確か青木理さんの解説に書かれていたのか?そこは少し驚きましたが、完全に救い難く、更生の余地がないであろう殺人者がいる以上は死刑制度は賛成です。でも、取り調べの可視化とか、録音とか、冤罪の可能性を少しでも減らす為の努力をしないのであれば、反対。と言う感じですね。

日本の冤罪認定のケースですが、体外が取り調べをした警察や判決を下した裁判官が退職をしてから、認定。と言う事が大半じゃないですか?マジでクソだよね。絶対に冤罪だって大分前から気がついていたけれども、面子があるから、退職するまでは、認めない。と言う感じですよね。

解説の青木理さんの箇所にも書かれていますが、金がない奴は死ね。周りに迷惑をかける位なら死ね。と言う感覚が、まだまだ強い、今の日本で安楽死は認めて貰いたくないですね。

と言う事で、私の感想なんてものは、ドブに捨てて頂いて。今回も非常に考えさせられる話でしたし、前作では対象者が外国人になりますので、それぞれのこれまでの話を聞いても、あまり身近に感じる事がなかったのですが、今回は日本人の方となります。住んでいる部屋の構図なども、非常にイメージがしやすい間取りとなっていて、生活をしていた。生きていた。と言うのが文字でもイメージをしやすいです。

ただし、安楽死のこれまでの流れなど、知っておいた方が、より今作のイメージをしやすいので、前作についても読んで頂いた方が良いと思います。

そうした事情を勘案して、小学館文庫が意図的に、前作も読んで貰う為。それは商売ではなく読者にとって、より多くの気づきを与える為に、あえて表紙の構成を寄せて行ったのであろう事を推測して、今回は締めたいと思います。

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