世界的に有名になった今も頑として素性を明かさない謎のアーティスト、バンクシーについて、その素性は謎のままに、彼が語りたいと思っている「ストーリー」を写真とともに深く掘り下げようとする一冊。そのストーリーには反体制、反戦、反資本主義などさまざまなメッセージがこめられ、ブラックユーモアや風刺や遊び心がたっぷり盛られている。
日本ではイマイチ伝わっていないのかな?
あんまり詳しくはないですし、こちらの書籍兼作品集を見るまでは知らない事も非常に多かったのですが、バンクシーと言えばハート型の風船と少女が一番好きです。ただ、この作品自体についても、てっきりと自分の中では、風船を手放した少女だと思っていたのですが、人によっては風船に手を伸ばそうとしている少女にもなるんですね。確かにそうだな。と言われて思いました。
要するにアートの世界は見る人によって見方が変わるのは当たり前ですよね。
日本では、バンクシーってどうなんですか?大人気とまではいかないような気がしますが、その理由としてはズバリですが、バンクシーは政治的だからなんですよね。
現在の日本では残念ながら父権主義が非常に強く好まれる傾向があると思います。それに加えて、日本人の多くが政治的な話を嫌います。自分が普段は何も考えていないのがばれてしまうから、嫌なんでしょうね。
で、バンクシーは反権力どころか、アナーキーになりますので、お上に支配をされたい願望が強い大和民族では、あまり好まれない傾向になるのかな?と思いますね。
ただ、根本的な話、日本とイギリス育ちであろうバンクシーは政治的に見てきた世界が、そもそも違うのがあります。ちょっと前までは、言っている事は分かるけれども、そこまでピンと来なかったのが正直な所になるのですが、『チャヴ 弱者を敵視する社会』をい読んで、多少なりとも、近年のイギリスの事が分かりまして、これによって、バンクシーがこれまでよりも理解をする事が出来るようになった気がします。
バンクシーの場合には、正体不明になるのですが、アートの世界になりますので、当然ながら、そのアーティストがどう言った人生を歩んできたのか?それが少しでも分かれば、作品の理解がより深まると思います。ここが正体不明の厄介な所でもあるのですが、要するに、新自由主義に対する怒れる英国人。と言う事をベースにして考えていけば、作品が理解をしやすくなりますね。
日本ではネズミ。と言うイメージがあるバンクシーになるのですが、バンクシーにおけるネズミの意味合いについても、本書を読んいけば分かると思います。分かった結果、日本人であれば、多くの人が嫌な気分になるのかもしれませんね。私自身は政治的な話とか、全然嫌いではないので構わないのですが、皆もっと政治的な話とかをすれば良いのにね。誰でも最初は分かっていない状態だし、間違いだってするんだから、気にしなくて良いのに。
と言う事で、私は好きですよ。バンクシー!
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