「わたしは、あんたの誰にも届かない52ヘルツの声を聴くよ」
自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年。
孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会う時、新たな魂の物語が生まれる。
注目作家・町田そのこの初長編作品!
52ヘルツのクジラたちのあらすじ
(ネタバレありなので、読む人はこの箇所を飛ばして)
再婚した母親、義父から躾と称した虐待を受けた主人公の女性がお婆ちゃんが晩年に過ごして空き家になっていた九州の家に引っ越しをし、人生をやり直そう。と言う形で始まるストーリーになります。
途中で過去のシーンが振替られて、虐待を受けている環境から立ち直る機会を与えてくれた友人と大切な人の話が交差をされていきます。
過去の自分のように、虐待を受けていると思われる子供と、ひょんな事から知り合い。子供を通して、過去の自分とも向き合っていく形のストーリーとなります。
最終的には、穏和な着地となって話としては終わります。救いのない終わり方だったら、どうしよう?と思っていたのですが、この点は安心しましたね。
唐突ですが、読んでいる人であれば分かると思いますが、幾ら貰ったと思います?知り合いに貸して読んで貰って、その話が出たのですが、500万円位とかの世界だったら、引っ越しをする事はないよね?でも、1億はないよね?と言う会議の結果、3000万円位だろう。と言う着地点になりました。
52ヘルツのクジラたち|特設ページ|中央公論新社
疑問がない訳ではなかった
疑問を感じる点がなかった訳ではない。あまり詳細についても書いても仕方がないのですが、行政は何をやっている?
本章のタイトルを知っている方であれば、上で引用をしている紹介文であったり、本章の大まかな設定についても、把握をされている方も多いと思います。その範囲を少し超えてしまうかもしれませんが、私が前述をして指している行政は、学校等になります。
著者である町田そのこさんのプライベートな情報は分かりませんが、義務教育を受けていない。と言うのは、出生届けを出していないレベルの話になりまして、出せば来年から小学校ですよ。と言う通知が黙っていても来るはずなんですけれどね。では、子供を学校に通わせないと、どうなるのか?行政から指導がきます。
とは言いましても、今の時代であれば、家庭学習。と言うのも選択としては可能になっていますので、自分の中では無理やりですが、そうした状況を選択した事にしておこう。と半ば思い込むようにしました。
2020年の本屋大賞の作品として1位となった作品は本作『52ヘルツのクジラたち』になりますが、読めて良かったですね。ちょっと頑張れば一日で読める作品になっていると思います。
虐待に限らず52ヘルツを聞こえたら良いですね
ちょっと虐待をする側の考え。と言うのが理解出来ないですね。自分の子供なんて可愛くって仕方がないと思いますが、現実的には、本作で出てくる話も実話を元にした話などがあります。作者の町田そのこさんが、どこまで意識をしてたのか分からないのですが、テレビなどでも躾と称して食べ物を与えないで、ノートに反省文を書かせている下りなどは、現実として報道をされていた事件でもありますので、読んでいて思い出す方も少なくはなかったのかな?と思います。
こうした事をする人は、何かがおかしい。と思いますので、そうしたのを早急に察知をして、被害者を生む加害者に、そうした人達をさせない為の何かが欲しいですよね。
本章のタイトルにもなっている、52ヘルツと言うのは、音波の領域になりまして、通常では聞き取る事が出来ない音域になります。でも、クジラは何かを伝えようとメッセージを発している鳴き声になります。今作の中では虐待を受けている子供の心の叫びとして、52ヘルツと言うが用いられているのですが、虐待とは行かなくとも、助けて欲しい。と発せられているのを、汲む事が出来る。そんな人間に誰もがなりたいと思っているはず。そこが唯一の社会としての救いだと信じたいですね。
向いている人
あんまりの高齢者が読むとは思えないのですが、最新のトランスジェンダーが唐突に出てきたりしたのが、個人的にも面食らいましたね。
作者も女性。と言う事で、どちらかと言えば女性向けの作品にもなっていると思いますので、比較的に若くて女性向けの作品になっていると思います。本屋大賞にノミネートをされている作品、全般としてこの点は言える事かもしれませんね。
別作品となりますが、2位となった『ライオンのおやつ』についても、同様の傾向が当然ながらあると思います。どちらの作品についても40近いおっさんである私としては、女性が、かくもここまで隙あらば愛を感じようとするものなのか?と驚かされますね。
52ヘルツかどうか分かりませんが、鯨の鳴き声の動画がありましたので、以下に掲載をしておきます。
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