ルポ失踪 逃げた人間はどのような人生を送っているのか?

ルポ失踪 逃げた人間はどのような人生を送っているのか?
ルポ失踪 逃げた人間はどのような人生を送っているのか?

失踪の赤裸々な事情を経験者たちが大いに語る!

失踪―それは現在の人間関係や社会的立場を捨て、新たな環境で別の人間として生き直すことである。一見するとわれわれの日常から縁遠いように思われる失踪だが、現在日本の行方不明者は年間9万人、およそ1000人に1人にのぼる。本書はそんな近くて遠い存在である行方不明者や残された人々に取材し、失踪の理由から実行の手順、現在の生活までの一部始終を記した本である。失踪者はいかに生き、何を考えているのか? 人生がつらい、逃げたいと思ったことが一度でもある人に捧げる、失踪のリアルを通じて生きづらさと向き合う術を考え直す新しい人生論にして幸福論。

*本書目次より抜粋
まえがき
第1章
30年間実家に帰らず父と死別したAV男優
第2章
父の失踪 18歳から風俗で働く娘を誰よりも愛していた
第3章
突然、妻がいなくなったーー認知症行方不明の課題
第4章
薬物でスリップと失踪を繰り返す
第5章
持ち前の正義感で人を傷つける事件を起こす
第6章
オカマバー、闇金、ホストを経験し、フランスでスリ集団として暮らす
おわりに

凄まじい面白さ。

月に1度寄る本屋さんにて。まだ本棚に並べられる前の、カートに置かれている本をチェックするのが好きなのですが、その中にあったのが、今回紹介をする松本祐貴さんの『ルポ失踪 逃げた人間はどのような人生を送っているのか? 』になります。

失踪と言う言葉に憧れみたいなものを持っている私からしたら、これはもう目が合ってしまった。と言う運命のタイプの本ですね。買わずにはいられない衝動に突き動かされて購入をさせて頂きました。熱いうちに打てではありませんが、購入してから読むまでのタイムラグもそこまでないまま読み終える事が出来た作品でしたね。

本書では6人の失踪体験者。あるいは、現在も失踪中。と言う方が登場をしているのですが、ある程度生活の基盤も確立をしていて、しっかりと生活をしている失踪者になります。なので、欲を言えば、最近失踪しまして、未だに生活の基盤が出来ていないんですよ。と言う失踪ホヤホヤの方も紹介をして貰いたかったのもありますね。

と言うのも、本書で登場をされる方の大半が仕事を見つけたのがマイナンバー制度が出来る前なんですよね。このマイナンバー、仕事をする上で必ず提出しないといけないものとなっています。

マイナンバーが気になるのは、以前は闇社会ではなく、その手前の段階でも、やかましい面倒な事を言わないでも、雇用をしてくれる会社や、受け入れてくれる社会があったからなんですよね。

今でもあるかは分からないのですが、ないとしたら、闇社会と繋がっている所でしか失踪をした人は働けない現実が待っていて、それは表には出てこない。いや、、すでにこの書籍でも、これ、、書いて良いの?と思える部分もあるのですが。。

現実に私の知り合いで言えば、失踪と言うよりも会社の金を横領して逃亡中はいましたが、もう時効を迎えて親父は金を持って家族団らんを楽しんでいるのではないでしょうかね?億単位の金。と言う金額と当時は聞いていて、当時であと数年。と話を聞いたのですが、もう10年以上前の話になりますので、もう無事に逃げ切ったでしょうね。数千万。とかであれば、逃亡生活中に使い切ってしまう金額に下手したらなりますが、億単位であれば、もう働かなくても良いぐらいの金を残せる。話を当時聞いていた限りでは、頭の悪い感じではなく、計算尽くめの犯行だったので、相応の金額だったでしょうね。

作品に話を戻しますが、今年読んだノンフィクション作品の中では、もしかしたらナンバーワンかもしれないですね。それぐらいに本当に面白いですよね。

ぶっ通しで読めた作品でしたが、あえて残り10ページ無いぐらいで明日に備えておいて翌日に読み終わりました。読もうと思えば一日で充分に読める作品になっていると思います。

失踪に憧れを持っている人に対し、それなりに失踪した感を味合わせてくれる作品でしたね。


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