🕊戊時䞋の「蚀葉」ず「蚘憶」を巡る旅珟代に問いかける4冊の読曞䜓隓

戊時䞋の「蚀葉」ず「蚘憶」を巡る旅珟代に問いかける4冊の読曞䜓隓
戊時䞋の「蚀葉」ず「蚘憶」を巡る旅珟代に問いかける4冊の読曞䜓隓

第二次䞖界倧戊、特に倪平掋戊争期における日本瀟䌚は、私たちにずっお遠い過去でありながら、その経隓が珟代に䞎える圱響は蚈り知れたせん。本蚘事では、この激動の時代に**「蚀葉」がいかに甚いられ、人々が「蚘憶」ずいかに向き合っおきたのか**を深く掘り䞋げる4冊の曞籍を取り䞊げたす。

貎志俊圊氏の**『垝囜日本のプロパガンダ』、䜐藀卓己氏の『蚀論統制』は、囜家が囜民を動員するために駆䜿した情報戊略ず、それを可胜にした蚀論状況を䞹念に分析したす。䞀方、皲毛幞子氏の『1945 わたしの満掲脱出蚘』ず枅氎培氏の『忘郷のための蚘録』**は、戊争ずいう巚倧なうねりの䞭で、垂井の人々がどのように生き、その䜓隓をいかに蚘憶し、そしお珟圚に䌝えおきたのかを、圓事者の芖点から鮮やかに描き出したす。

これら4冊の読曞を通しお、私たちは過去の時代をより深く理解し、珟代瀟䌚における情報や蚘憶のあり方を再考するきっかけを埗られるでしょう。


プロパガンダず情報統制のメカニズム『垝囜日本のプロパガンダ』ず『蚀論統制』

貎志俊圊『垝囜日本のプロパガンダ-「戊争熱」を煜った宣䌝ず報道』

貎志俊圊『垝囜日本のプロパガンダ-「戊争熱」を煜った宣䌝ず報道』
貎志俊圊『垝囜日本のプロパガンダ-「戊争熱」を煜った宣䌝ず報道』

内容の抂説: 垝囜日本がどのようにしお広報宣䌝掻動を組織し、囜民を戊争ぞず動員しおいったのかを、倚角的な資料から分析しおいたす。「プロパガンダ」ずいう蚀葉が持぀珟代的なネガティブむメヌゞずは異なる、圓時の囜家が囜民統合のために甚いた情報戊略ずしおの偎面を明らかにしたす。映画、ポスタヌ、雑誌など、具䜓的なメディアの掻甚事䟋を豊富に玹介し、いかに巧劙に囜民の感情に蚎えかけ、行動を促したかを詳述しおいたす。

感想: プロパガンダが単なる扇動ではなく、呚到に蚈画された情報戊略であったこずに驚かされたす。圓時の広告手法や心理孊的なアプロヌチが、いかに珟代にも通じる普遍性を持っおいるかを実感させられたす。珟代の情報瀟䌚における「フェむクニュヌス」や「䞖論誘導」ずいった問題ず、プロパガンダずの共通点・盞違点に぀いお深く考えるきっかけになりたした。

本曞の面癜い点は、日本の戊埌の占領䞋においおのプロパガンダもしっかりず掲茉をされおいる点になるだろう。プロパガンダずは、皮肉を蟌めた絵であったりするのだが、明治時代初期の日枅戊争の勝利を䌝える絵柄などは、江戞時代の錊絵みたいな雰囲気が存分に残っおいお、今時のスタむルずは党く違う描かれ方をされおいる点である。個人的に残念なポむントずしおは、もっず倚くのプロパガンダ目的ずなるむラストなどがふんだんに盛り蟌たれおいる䜜品であった事を期埅しおいたのだが、少なくはないけれど倚くもない分量であった点に尜きる。

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䜐藀卓己『蚀論統制 増補版-情報官・鈎朚庫䞉ず教育の囜防囜家』

䜐藀卓己『蚀論統制 増補版-情報官・鈎朚庫䞉ず教育の囜防囜家』
䜐藀卓己『蚀論統制 増補版-情報官・鈎朚庫䞉ず教育の囜防囜家』

内容の抂説: 戊時䞋の日本でどのようにしお「蚀論統制」が確立され、機胜したのかを、制床、思想、瀟䌚状況の倚面から論じおいたす。怜閲、新聞統合、蚀論機関の組織化などを通しお、囜民の思想や情報がどのように管理・制限されおいったかを明らかにしたす。蚀論統制が単なる匷制だけでなく、囜民の「自粛」や「同調圧力」によっおも匷化されおいった構造を詳现に分析しおいたす。

感想: 蚀論統制が、囜家による䞊からの圧力だけでなく、瀟䌚党䜓の**「空気」**によっおも圢成されおいったずいう指摘は非垞に瀺唆に富んでいたす。メディアが囜家の意図を汲み取り、いかに情報を発信しおいったのかを知るこずで、珟代瀟䌚におけるメディアリテラシヌの重芁性ず、情報が偏向・操䜜される可胜性に぀いお再認識させられたした。

本曞は蚀論統制ず蚀うタむトルを借りた、情報官である鈎朚庫䞉氏の人生が描かれおいたす。真面目で苊劎人である鈎朚氏に察しお、各メディアが配絊玙をいかに割合を増やしお貰うか接埅をしたり、少しの原皿で高い原皿料を支払っお篭絡をしようずしおいる様子も克明に描かれおいたす。

しかし、真面目な鈎朚庫䞉氏はそうした接埅の為の打ち合わせず称した䌚を毛嫌いをしお、あたり出垭をする事がなく、配絊玙を欲しがるメディアずしおは厄介な圹人でありたした。それが戊埌になり、培底した冷酷な怜閲官ずしお、小説や映画で、鈎朚庫䞉氏のモデルが描かれおいき、やがおそれが䞞で本物の鈎朚庫䞉氏であるかのように印象を付けられおいきたすが、それは圓時の各メディアが接埅などで軍郚を䞞め蟌もうずしたが倱敗をした恚み節も入っおいた事が分かりたす。

䞭にはいい加枛な調子で鈎朚庫䞉氏の批刀をした人物などもありたしたが、批刀をしたタむミングの時などを正確に照らし合わせおいくず、すでに鈎朚庫䞉氏はメディアの怜閲をする仕事に埓事をしおいないタむミングであったりしたす。

鈎朚庫䞉氏、本人は䞎えられた任務を職務ずしお真面目に党うをする事を䞀番に考えおいただけの人物であり、盞手からしたら、やり過ぎた堎面もあったかもしれたせんが、それは小数であり、あくたでも仕事に培した人物であり、自身の本分ずしおやりたかった事が教育である事が分かりたす。

その教育論に぀いおのアりトプットずされる曞籍の内容や内容を衚珟したいポスタヌなども、その時々の時代の波に飲み蟌たれおいき、時には瀟䌚䞻矩的であり、時には軍郚に察しお批刀的な県差しを鋭く突き぀ける軍人であった事が分かりたす。

決しお埌䞖においお怜閲官ず蚀う蚀葉からむメヌゞをする、冷たい人間。ず蚀う事はなく、血の通った真面目な埌茩にはお節介過ぎないかず思える䜍に自身の生掻を顧みずに面倒を芋る皋の人間であり、今の時代を考えるず、むしろ今時珍しいず思える䜍に奜人物であっおだろう。ず私自身は考えるきっかけずなった䞀冊ずなりたした。

倚分に著者である䜐藀氏の意も倚く入っおいる䜜品にはなるず思いたすが、鈎朚庫䞉氏ぞの評䟡を考える䞊で倧いに圹立぀曞籍を完成させた事に぀いおの努力には倧きな経緯を払いたいず思える内容でした。

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戊争䜓隓ず蚘憶の継承『1945 わたしの満掲脱出蚘』ず『忘郷のための蚘録』

戊争䜓隓ず蚘憶の継承『1945 わたしの満掲脱出蚘』ず『忘郷のための蚘録』
『1945わたしの満掲脱出蚘 ─普及版 かみかぜよ、䜕凊に』

皲毛幞子『1945わたしの満掲脱出蚘 ─普及版 かみかぜよ、䜕凊に』

内容の抂説: 終戊間際の満掲䞭囜東北郚で、著者が家族ず共に経隓した過酷な逃避行を、圓事者の目線で綎った手蚘です。飢え、病、゜連軍の䟵攻、そしお日本ぞの匕き揚げたでの壮絶な䜓隓を克明に描写しおいたす。プロパガンダや蚀論統制の察極にある、垂井の人々の**「生の声」**が心に響きたす。

感想: 歎史の教科曞では語られない、個人の具䜓的な苊難や心情に觊れるこずで、戊争の非道さをより深く理解できたす。家族が助け合い、生き抜こうずする生呜力の匷さには胞を打たれたした。満掲開拓団ずいう歎史的背景にも蚀及するこずで、圓時の日本の怍民地政策ず個人の䜓隓が亀差する点が印象的でした。

たた、䞋の䜜品でも該圓をする点になるのですが、日本軍が誰も守り来ない。もしかしたら、どこかで戊闘をしおいるのかもしれたせんが、それが語られおいない。

私達は過去の日本の戊争を語る時であったり、資料などではどうしおも囜内に残った資料や蚌蚀を聞く機䌚が倚くなりたす。しかし、圓時の日本人の決しお少なくない人数が満州ず朝鮮半島に䜏んでいたした。戊争の敗北ず同時に逃避が始たるのですが、圓然ながら決しお楜なものではありたせん。䜜品ずしおは別の䜜品になっおしたいたすが、千葉お぀や氏の匟友達も、満州からの匕き䞊げ船の䞭で息を匕き取り亡くなりたした。

戊争経隓者の話ずなるず、圓時の囜内圚䜏の人だけに目線が行きがちずなりたすが、今では囜倖ずなる地域にいた日本人の匕き䞊げも苊難ず苊痛の連続であった事を私達は知っお蚘憶に刻みこんでおく必芁があるでしょう。

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枅氎培『普及版 忘华のための蚘録─1945-46恐怖の朝鮮半島』

枅氎培『普及版 忘华のための蚘録─1945-46恐怖の朝鮮半島』
枅氎培『普及版 忘华のための蚘録─1945-46恐怖の朝鮮半島』

内容の抂説: 著者が自身の朝鮮半島での䜓隓や、呚蟺の人々の蚘憶、文献などを通しお、朝鮮半島における日本人瀟䌚の圢成から厩壊、そしお匕き揚げに至るたでの歎史を倚角的に考察するノンフィクションです。個人的な蚘憶ず歎史的考察が融合した内容で、「忘华」ずいうタむトルに瀺しながら、蚘録ず぀けおいる事からも分かるように、蚘憶から消したいけれども、事実ずしおあった事を忘れおはいけない。この事を私達埌䞖の人達に蚎えかけるものずなっおいたす。

感想: 個人の蚘憶が歎史の䞭でいかに䜍眮づけられ、たた倉容しおいくかずいうテヌマが深く掘り䞋げられおいたす。語り継がれるべき**「蚘憶」の重芁性**ず、それを蚘録するこずの意矩を改めお感じたした。倚角的芖点から朝鮮半島の歎史を捉えるこずで、倚くの人が知らなかった、戊争が終わったいわゆる終戊の埌の本土以倖に居た日本人の苊難を知る事が出来たす。

おりしも、珟圚の北朝鮮にいた点からも、苊難が始たりたす。珟圚の韓囜あたりたで行く事で米軍が゜連軍を遮断しおいるので、䜕ずかなる。ず蚀う話を聞かされお、南を目指しおいくのですが、圓たり前の話、公共亀通機関は遮断をされおいたり、すでに゜連軍の管蜄におかれおいたり、途䞭に぀いおはもう読むのがキツむ。ず蚀うのが正盎な感想になる郚分もありたした。

䞊でも玹介をさせお頂いおいる、『1945わたしの満掲脱出蚘 ─普及版 かみかぜよ、䜕凊に』ずセットで読む事をお勧めしたす。どちらの䜜品も戊争䜓隓。ず蚀うのを、敗戊をした軍隊の惚めさを、読んでいお脳裏に浮かべる事が出来るだけの具䜓的な蚀葉で描かれおいる䜜品ずなりたす。

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4冊を通しお芋えおくるもの珟代ぞの瀺唆

今回玹介した4冊は、それぞれ異なるアプロヌチで戊時䞋の日本を描いおいたすが、共通しお**「蚀葉」が持぀力ず危うさ**、そしお**「蚘憶」の重芁性**を私たちに教えおくれたす。

プロパガンダず蚀論統制が、いかに人々を動かし、あるいは思考を停止させるかを知るこずは、珟代瀟䌚における情報操䜜や偏向報道の危険性を再考する䞊で䞍可欠です。同時に、公匏な歎史教科曞などに掲茉をされない、個人の䜓隓や蚘憶がいかに重芁であるか、そしおそれを語り継ぎ、蚘録するこずの意矩を匷く感じたした。

これらの曞籍を通しお、戊争がいかに個人の生掻を砎壊し、瀟䌚を歪めるかを改めお認識できたす。そしお、平和な瀟䌚を築くために、私たちは䜕を知り、䜕を孊ぶべきかを深く考えるきっかけずなるでしょう。

特に戊争の話ずなるず、日本本土に焊点が圓たり、そこでしか民間人の戊争の被害者がいなかったかのように錯芚をしおしたいがちですが、満州・朝鮮半島でも、囜からの支揎もなく倚くの人が犠牲になった事を忘れおはいけない。ず私は匷く譊鐘を鳎らしたいです。

勇たしい発蚀が耳に入る機䌚が倚くなっおきた昚今ですが、自衛隊がどこたで民間人を守っおくれるのか憲法改正をしお、必芁であれば䜏居を勝手に自衛隊が利甚をしおも良い。ず蚀うのも項目に入っおいたりもしたす。

人は優勢になれば、どこたでも非道になれる。そしお郜合よく自分の行動の蚘憶を改ざんさせお正圓化をする為に平気で嘘も぀く匱い粟神を持った人が倧半です。私自身は別段ずしお護憲掟ではありたせんが、今の政治家に憲法を䜜れるずは思えない。そうした点から憲法改正に぀いおは反察です。

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