デジタル統治が進む大国にうごめく「秘密結社」を活写
洪門、青幇、中国致公党、法輪功――。謎めいた組織が総登場
辛亥革命や共産革命から香港デモ、反共カルトにまで迫る!
天安門事件、新型コロナ流行、アリババ台頭、薄熙来事件、孔子学院――。激動する国家にうごめく「秘密結社」を知らないで、どうやって現代中国がわかるのか? 清朝に起源を持ちいまなお各国に存在するチャイニーズ・フリーメーソン「洪門」、中国共産党の対外工作を担う「中国致公党」、カルト認定され最大の反共組織と化す「法輪功」など。大宅壮一ノンフィクション賞作家が、結社の行う「中国の壊し方」と「天下の取り方」に迫り、かれらの奇怪な興亡史を鮮やかに描き出す。
【目次】
◆一部 「仁・義・侠」の紐帯
はじめに――中国の秘密結社の三パターン
1義兄弟の契りを交わす「会党」
2指導者に帰依して救済を求める「教門」
3体制転覆をはかる「政治結社」
秘密結社国家・中国
第一章 洪門と青幇の近現代史
皇帝独裁制度が生んだ安定と混乱
はったりとしての国家転覆思想
洪門の元帥・孫文
青幇、蒋介石を助け魔都を握る
国共内戦に翻弄された哥老会
第二章 現代中国の洪門「中国致公党」
洪門を吸収した中国共産党
秘密結社が「チャン・ツィイーの党」に
文化大革命で功労者が迫害死
海外統一戦線工作を担う
秘密結社のマスク外交
日本の孔子学院にも党員がいる
第三章 世界の洪門――マフィア、抗争、仮想通貨、香港デモ
南洋華人のヤンキー秘密結社
中華暗黒紳士がプノンペンに集結
秘密結社の暗号通貨と「洪門ビール」
洪門の対日協力組織が黒社会に
三合会が香港デモ隊を襲撃
「反共」洪門、香港デモを支持
◆二部 「邪教」の誘惑
第四章 法輪功
中国共産党は「邪悪な幽霊」
サイキックブームが生み出した最大の反共組織
急成長するベンチャー気功集団
中南海包囲と「反共化」
新型コロナ・デマへ
「中国のオウム」は事実か
第五章 全能神
プロテスタント系「秘密結社」
中国の「邪教」筆頭へ
マクドナルドで勧誘拒否の女性を撲殺
秘密結社のヤミの伝統
大きな赤い龍の災厄
中国版隠れキリシタンと神秘主義
第六章 新天地教会と新宗教たち
「反動」「反革命」から「邪教」へ
中国農村を席巻する自称キリストたち
「エホバの証人」を偽装する
地下化した武漢教団から新型コロナウイルス伝播
「殺戮の天使」、中国版カルト村で暗躍す
「神なき国家」の宗教秘密結社
おわりに
ある「呆れた連中」の暴動
秘密結社を使った「中国の壊し方」
コラムが面白い
安田峰俊先生、コロナでアウトプット爆発。と言う事で、沢山の書籍が短期間で出版をされていますね。今作についてはタイトル通りに中国の秘密結社についての書籍となります。
そうは言っても、法輪功とか青弊・洪門とか、何となく聞いた事がある組織の名前から始まりますので、割ととっつきやすいとは思います。ただ、実際に読み終わった後に、何かの役に立つか?と言われたら、特にないですね。
中国に行く機会は、これから先についてはあるかもしれませんが、ここまでアンダーグラウンドに知っておく必要性は感じないです。
見るべき所は、まずはコラムですね。宗教が母体となっているのですが、新しい王朝を作ろうとしていた。と言う話がいくつか掲載をされていて、すげーな中国。と思いますよね。太平天国の乱については、角川の世界史で勉強をして、何となく分かったのですが、あれを目指しているような王朝が、そんなにあったのか?しかも、割と最近じゃねーか。と驚かせてくれます。
後は大阪のおばちゃんですね。本気で叱られた。とかサラッと書かれていたのですが、もう少しそこを深堀りして、どう叱られたのか書いてくれていたら面白かったですね。
香港デモについても、ちょこっと、そう言うのが背景にあったんだ。と言うのを理解する事が出来ました。どうでも良いけれど、安田先生も、渋沢龍彦先生の秘密結社の手帖を読んでいたのね。面白いので、未読の方は以下の書籍もどうぞ。
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