幻のクーデター―二・二六事件前史

幻のクーデター―二・二六事件前史
幻のクーデター―二・二六事件前史

出版社からのコメント
著者の猪又明正は、捜査にあたった熊谷署特高の村松部長の縁戚にあたり、生前の村松氏から譲られた貴重な資料を元に執筆。
「救国埼玉青年挺身隊事件」関しては、松本清張が『昭和史発掘』(文春文庫)で言及しています。
この挺身隊の背後にいたのが陸軍中尉の栗原安秀。後に二・二六事件の主要人物として死刑になりました。このクーデターが実行されていたら、二・二六事件は起きなかっただろう、といわれる所以です。二・二六事件の関連図書としてお読み下さい。
昭和史おさらい 軍部が台頭し、戦争へ突き進んだ時代
昭和6年9月 満州事変
  7年2月 血盟団事件 右翼の血盟団が井上準之助前蔵相暗殺
    5月 五・一五事件 海軍将校ら犬養毅首相暗殺
   11月 右翼の児玉誉士夫による要人暗殺計画
  8年7月 神兵隊事件 右翼よる要人暗殺計画
   11月 救国埼玉青年挺身隊事件 右翼青年らの要人暗殺計画
  11年2月 二・二六事件 陸軍皇道派将校ら高橋是清大蔵大臣ら暗殺
  12年7月 廬溝橋事件——日中戦争勃発
内容(「BOOK」データベースより)
昭和8(1933)年、埼玉県熊谷市において、大がかりなクーデター計画が発覚、その決行前夜に、首謀者ほか15名が一挙に逮捕されるという事件が起こった。「救国埼玉青年挺身隊事件」である。政財界の要人暗殺をもくろんだこの事件を、新聞各社は号外を発行して大々的に報じた。3年後に起きた二・二六事件の前史とも位置づけられる本事件は、今日に至るまで詳細な記録として残されていない。本書は、この「幻のクーデター」の全容をたんねんに調べた一僧侶の目で、腐敗した社会構造を改革せんとする憂国の若者たちの心情をドキュメントとして追っていく。
内容(「MARC」データベースより)
昭和8年、救国埼玉青年挺身隊と名乗る青年らによって計画された、要人暗殺未遂事件の全貌。事件の発端から「決起」その後までを検証しながら、首謀者の青年たちと警察当局双方の心の葛藤を描き出す。

幻のクーデター―二・二六事件前史(Amazon)

埋もれかけていた二・二六事件の前史

二・二六事件と言えば、軍が大掛かりに動いたクーデター事件として日本の歴史に名前を刻んでいる事件となります。そこまでの過程に至るまでに、暗殺未遂事件はいくつかあるのですが、二・二六事件に中心人物として関わっていた栗原安秀が関わっていた事件が熊谷にあった。

結果として、軍に刺激を与える事を控えた特高の判断によって、栗原安秀の逮捕・起訴までには至りませんでしたが、これによって栗原安秀を中心とした軍も動きを少し抑える事になり、結果として二・二六事件になりましたが、本書で取り上げている、「救国埼玉青年挺身隊事件」がなければ、計画は前倒しとなり、結果として後世の我々は別の事件名で覚える事になっていたでしょう。

「救国埼玉青年挺身隊事件」を扱っている快心の書

「救国埼玉青年挺身隊事件」、まー、知っている人は少ないでしょう。歴史の近代が好きな人でも、知っている人は少ない事件になると思います。

物凄くザックリと言えば、上でも記載をしている、栗原安秀が中心となり、本書の主役とも言える吉田豊隆が熊谷発のテロを起こそうとした事件になりますが、今風の言い方で言えば、栗原安秀が中央だとしたら、吉田豊隆が埼玉支部で、中央の動きが重いのに対して、我慢しきれずに支部が動こうとした。と言う形になります。

Wikiが当然全てではないのですが、あまりにも書かれている事が少ない。参考文献として紹介をされている書籍についても、松本清張の本のみとなっています。本書の中でも、そこそこ触れられている書籍として、松本清張の書籍が紹介をされていましたが、当たり前ですが、本書の方がボリュームが上になります。丸々一冊、「救国埼玉青年挺身隊事件」について書かれていますからね。

栗原安秀の動画

栗原安秀

あんまり良い動画が正直なかった。と言うのが本音なのですが、二・二六事件の中心人物で、本書でも吉田豊隆と会っている、栗原安秀の事について紹介をしている動画になります。

「救国埼玉青年挺身隊事件」についても、本当に軽くとなってしまっているのですが、開始から2分30秒ぐらいが経過をしている時にサラッと紹介をされています。埼玉支部の暴走とは言え、当時の政党トップの暗殺未遂事件としては、あまりにもぞんざいな扱いですかね。知られていないから、言いようもないのかな?と思います。

本書の構成

著者である猪又明正さんが、実際に「救国埼玉青年挺身隊事件」を担当した当時特高として働いていた村松庚子男さんが存命の間に聞き込みと当時のメモに加えて、現場を歩いて収集をした情報を元に話としては展開をされていきます。

読んでいて思ったのが、映画の『ジャッカルの日』に少し雰囲気が似ているな?と思いました。あの映画の場合には、結局は追いかけていた刑事が暗殺をしようとしていた暗殺者の名前も知らないまま終わってしまいましたが、吉田豊隆を中心に、立憲政友会の鈴木喜三郎総裁を暗殺する為の準備。そして、吉田豊隆達の狙いは何なのか?追い掛ける特高の 村松庚子男が交互に展開をされていきます。

墓場まで行ってしまった真相

特高のイメージとしては、民間人相手であれば容赦しない。と言う事を考えていました。実際にそうした部分もあったのかもしれませんが、少なくとも本書を読んでいる限り、特高として登場をしている村松庚子男さんは、丹念に証拠を集めようとしています。決して誰かに対して威圧的に強引な手段を取っているようなシーンはありませんでした。

もしかしたら描かれていないだけなのかもしれませんが、追い掛けている吉田豊隆の背後には軍部がいる事も突き止めていて、特高としては軍部とは穏便に済ませておきたい。と言うのも多いにあったのでしょう。

最終的に確証を得た事によって、アジトへの突入となったのですが、その確証がどうも内部情報だったみたいです。その内部情報の提供をした人物は誰だったのか?その答えを知っている人は、もういなくなりました。

この点に読み終わった後に、なんとなーく、すっきりとしない気持ちが残りましたね。

To be continue

大変な私事になるのですが、本書の舞台となっている熊谷市の近くに住んでおります。そうした縁もあり、本書を読むきっかけになったのですが、登場をしている舞台の地名についても、それなりの知識があります。

で、このサイトとは別のドメインで、ダラダラとした感じの地域の事について時々書いているブログがあります。そちらにて、今回紹介をしている幻のクーデターの舞台となった場所の今。を練り歩いていくつか写真を上げていきたいと思いますが、それはそれで、そのうちに。と言う事で終わりましたら、下にリンクでも掲載をしておこうと思いますが、本ページをアップしている時点では、まだ動いていません。

そのうちに。ですね。本書が書かれたタイミングも、すでに20年の時代が経過をしています。熊谷も本書が描かれた時代からも当然の事として、書かれてから20年の時代が経過をしている事で、もう本書で登場をしている店の名前などについても知っている人も少ない状態となっている事でしょう。

どこまで跡地を巡る事が出来るのか?現時点では何とも言えないのですが、可能な限り追いかけてみたいですね。

行ってきた!

幻のクーデターを読んでみよう♪

【電子書籍/コミックの品揃え世界最大級】ebookjapan(イーブックジャパン)

初月無料!雑誌やマンガ、さらに「るるぶ」が読み放題!【ブック放題】

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください