天才 富永仲基 独創の町人学者

天才 富永仲基 独創の町人学者
天才 富永仲基 独創の町人学者

300年前、驚くべき思想家がいた――。
〝知られざる天才〟の生涯と思想に迫る!

18世紀、江戸中期の大坂。醤油店の息子として生まれ、独自の立場で儒教や仏教を学ぶ。主著『出定後語』では、世界に先駆けて仏教経典を実証的に解読。「加上」という独創的な方法論を用いるなどして、その成立過程や思想構造を論じた。その結果導いた「大乗非仏説論(「大乗仏教は釈迦の直説に非ず」)」は、それまでの仏教体系を根底から揺さぶり、仏教界を巻き込んだ〝論争〟を引き起こした。
その仲基の論説を、本居宣長や平田篤胤らが絶賛、近代になると内藤湖南や山本七平らによって再評価されるなど、日本思想史に大きな爪痕を残した。生涯独立不羈を貫き、31歳で夭折した〝知られざる天才〟の生涯と思想に、僧侶にして宗教学者の著者が迫る。

富永仲基とは何者だったのか――
●約300年前の大坂に生きた町人学者
●商家(醤油屋)に生まれ、伝説の「懐徳堂」で学ぶ
●世界に先駆けて、仏教経典を実証的に解読
●「加上」という独創的な方法論を構築
●仏教界を揺るがした「大乗非仏説論」
●本居宣長、平田篤胤ら国学者が絶賛
●早すぎた〝宗教多元主義者〟――

【目次より】
序 早すぎた天才
天才の条件/仲基のオリジナリティ/大乗非仏説論/近代になって再発見etc
第一部 富永仲基とは何者だったのか
醤油店の息子として/31歳で病没/いかにして仏典を学んだのか/自由・柔軟・合理的――懐徳堂という場/天才の宿命etc
第二部 『出定後語』上巻を読む
「全てが釈迦の教えではない」/仏典はいかにして編纂されたのか/見事なテキスト・クリティーク/家言――言葉は語る人によって変化する/聖書批評にも先んじてetc
第三部 『出定後語』下巻を読む
加上が重ねられた仏典/言に物あり、国に俗あり/世界最初の書etc
第四部 『翁の文』と『楽律考』
儒教と神道を批判/誠の道とは何か/仏教・儒教・神道のくせ/世界のハーモニー/音楽の本質/荻生徂徠を批判etc
第五部 富永仲基はどう語られてきたか
本居宣長と平田篤胤による発見/国学vs.仏教/大乗非仏説論と近代仏教学/富永仲基≠大乗非仏説論/天才を理解した内藤湖南/日本教として――山本七平の評価/倫理学として――中村元の評価etc
終章 近代への〝道〟
仏教排斥論者だったのか/宗教多元主義的な世俗主義/仲基の倫理論/その眼には何が見えていたのか

こいつは難しい内容でした

まずは仏教の事を多少なりとも知っておかなければいけないですし、大量にあった経典が、全て、シッダールタの言葉だと、現在に住む我々としては、何を言っているの?と言う感覚を持ってしまっているのですが、当時としては、薄々どこかで気がついていたけれども、仏教界を敵に回す事にもなりかねないので、その辺りについては、特別に触れないでおこう。と言う意識もあったのだと思います。
その中で、本書で登場をしている富永仲基が、非常に理論的に仏典を実証的に研究をした人物となります。後世に与えた影響は甚大で、タイムリーに世間をあっ!と言わせたタイプではなかったみたいですね。後世になり、なんじゃこりゃ!凄い事を書いてあるぞ!と言うパターンとなっていて、本についても残っているのもあるのですが、残念ながら現在も行方知らずとなってしまっている作品もあるみたいです。

言に物あり、国に俗あり

『それ、言に物あり、道、これがために分かる。国に俗あり。道、これがために異なる。』

本書148ページ目

残念ながら本書の中で、自分自身の中で咀嚼をする事が出来たのは上記の部分になりますね。意味合いとしては、言葉が違えば考え方も変わるだろう。国が違えば習慣も変わるだろう。と言う当たり前の話となるのですが、この辺りが現在では無視をされがちな点になりますね。体力のあるグローバル企業が、勝手な価値観を押しつけてくる時代となっていて、本来的なグローバリゼーションが成功をするには、ローカルに合わせていく、グローカリゼーションが必要だ。と言われていたはずなのですが、いよいよ倫理観が外れてきてしまい、金儲け至上主義となっていて、法律だけ守っていれば良い。と言う塩梅になってきてしまっているように思えます。

全体的に難しい内容となっていたので、自分として吸収をする事が出来る範囲はかなり限られた物となってしまいましたが、タイトルに惹かれて購入をして、実際に読んでみて、特に後悔はしていないです。

天才 富永仲基 独創の町人学者を読んでみよう♪

【電子書籍/コミックの品揃え世界最大級】ebookjapan(イーブックジャパン)

初月無料!雑誌やマンガ、さらに「るるぶ」が読み放題!【ブック放題】

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください