【2020年本屋大賞翻訳小説部門第一位受賞作!】‘感情’がわからない少年・ユンジェ。ばあちゃんは、僕を「かわいい怪物」と呼んだ――韓国で30万部突破!「書店員が選ぶ今年の本」(2017)に選ばれた感動のベストセラー小説、ついに上陸! 扁桃体(アーモンド)が人より小さく、怒りや恐怖を感じることができない十六歳のユンジェは、目の前で家族が通り魔に襲われたときも、無表情で見つめているだけだった。そんな彼の前に、もう一人の‘怪物’が現れて……。「わが子が期待とは全く違う姿に成長したとしても、変わることなく愛情を注げるか」――出産時に芽生えた著者自身の問いをもとに誕生した、喪失と再生、そして成長の物語。
2020年本屋大賞翻訳小説部門第一位受賞作品
2020年本屋大賞翻訳小説部門第一位受賞作品!と言う事で、書店の目立つ位置に今でも置かれている作品になると思います。大分前から読んでみたいな。とは思っていたりましたので、図書館の方でもネット上で随時チェックをしていたのですが、中々空かないので、購入をして、その前に何冊か片付けて、ようやく順番が回ってきたので、一気に読ませて頂きました。
まずは読みやすい文章ですね。ちょっと空いた時間を使って読んみたのですが、2日間で読み終える事が出来ました。現代が舞台となりますので、文章や出ているシーンなど、全て容易に想像が出来る範疇になります。作家さんが韓国人女性となりますので、日本には馴染みのない単語がちょい。と出てきたりもするのですが、後ろの方の解説に、それが何か書かれているのですが、量的にも多くありませんので、まずはそちらの解説から読んで、へー。韓国にはこう言うのがあるんだ。と言うのを理解してから読むのも良いと思いますね。
話としては、脳の扁桃体が小さく、感情と言うものが、欠落をしている主人公の話になるのですが、登場人物も少ない形で展開をされていくので、話としては、あっちに行ったり、こっちに行ったり。と言う忙しい形ではなく、落ち着いた形で進んでいきます。中々に厳しい展開もあったりするのですが、最終的には、それなりにハッピーエンドな形で締めくくられていますし、恋をした事によって徐々に感情も芽生えていく形となります。
本編に登場をした作品とか
ゴニと言う登場人物がいかにもガキ大将風情なので、イメージとしてはジャイアンを読んでいると想像をしてしまうのですが、明日のジョーの矢吹ジョーらしいです。韓国人女性の中でも、矢吹ジョーが浸透をしている事が何だか嬉しいですね。作者のちばてつや先生は色々と悪い所が見つかり、入院中。と言う事なのですが、連載を未だに続けているので、無事に退院をして頂いて、また執筆に取り掛かって貰いたいですよね。
読んで頂ければ、経緯は分かると思いますし、ストーリー上、別段キーになる訳でもないのですが、ヘルマン・ヘッセの『デミアン』が作中に登場をしています。私自身も読みましたし、日本でも読んだ人も多いと思いますが、宗教色が強過ぎて難しくないですか?韓国の場合には、日本よりもキリスト教が普及をしているので、韓国人の方には理解をしやすいのかな?とか、想像をしたりしました。
ブルック・シールズと言う外人女性が、ゴニと主人公の会話で登場をしているのですが、これ誰よ?と思ったりした人も多いと思います。私自身も知りませんでしたので、調べてみました。ブルック・シールズで画像検索をした結果になりますので、興味のある方はどうぞ!
山中賞も受賞しています
ツタヤ、中万々店の山中由貴さんがお送りしている、山中賞も受賞している作品となります。まず、書籍を開くと、手紙が入っており、これは本編に関わる内容で、最初に読むべきなのか?最後に読むべきなのか?幾分迷ったのですが、えいや!と最初に読んでみたのですが、本編自体とは関係がなく、ツタヤで働いている、山中由貴さんからのメッセージとなっていました。
ヘイト本が売れている。と言う事で、ツタヤでしたら、そうなんでしょうね。私が行っている贔屓にしている書店については、あるにはあるのだろうけれど、書店のコーナーには並んでいなくて、店員さんに言えば、倉庫から持ってくる。と言う形になっています。もうさ、ヘイト本なんて、ネット限定で販売をすれば良くないですか?これからの社会、ネット上での購入履歴とかも全部残るだろうし、それによって倫理観の測定とかも、されていくと思うんですよね。ヘイト本はネット限定の販売で、一定基準を超えたら、海外渡航の時にチェックが厳しくなる。とかで良いよね。
要するに、書店で働いている、山中さんの現場からのメッセージですね。読んで損はないと思います。
突き詰めていくと『漫画 君たちはどう生きるか』
他の方のレビュー記事などを読んでみたりすると、感動した。とか色々とあるのですが、とりあえず個人的には特別に感動をする事はありませんでした。もちろん、主観入りまくりとなるのですが、突き詰めていくと、『君たちはどう生きるか』と繋がっている部分があるのかな?と思います。出くわしたくない場面に出くわしてしまった時。動けないで傍観者となるのか?止めに入る事が出来る人間になるのか?そんな印象を受けましたね。
で、『君たちはどう生きるか』を漫画になるのですが、以前に読ませて頂きました。そちらの作品感想については下に掲載をしておきます。
上の記事内にも書いているのですが、いざと言う時に、私自身は動ける人なんですよ。ごめんな。と言う話なのですが、割と迷う事なく、冷静に動けるタイプです。最近の話だけでも、幾人かの人に、ありがとうございます。なんて言って頂いたりしたのですが、そんな事をここで書いたりする事はない訳で、あ、あの時の。と思って頂ける人が数人いれば、それで良いんですよ。
と言う事で、いざと言う時に動けない人が読んだりすると、自分の弱い部分を突かれている気持ちになり、心中複雑な気持ちになるのかもしれませんが、私自身はどうと言う事はありませんでした。いざと言う時に、迷う事なく動く事が出来る強い人になって下さい。と言う話ですね。
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