美大を目指し、京都から上京した浪人生の乾純。美術予備校へと通う純の前に“東てる美”に似た美奈が現れた。即、恋に落ちた純は童貞を捨てて、覚えたてのセックスにのめり込んでいく。だが受験を前にして、親の愛情は重くのしかかり、友人たちとの距離は広がり、すべてが混乱のるつぼと化していく……。自分を見失った果てには一体、何があるのか。
みうらじゅんの甘酸っぱい自伝的な何か
タイトルが最高だな!と思ったのと、元々みうらじゅん氏に興味がありましたので、ちょっと読んでみました。まず非常に読みやすい文章となりますので、読み終わるの時間はほとんど掛からないと思います。寝る前にゴロンと布団の中に入って読んで、と言う形で二日間で読み終わりましたね。
内容は受験に失敗をして浪人生活を始めたばかりの頃からスタートとなり、東京の予備校に通うシーンからとなります。自分自身も浪人生活を送った事はありますが、予備校の為に家を出たりはしなかったので、その辺りについては理解を出来ないのですが、みうらじゅんの場合には、親戚の家に居候と言う形になったので、食事とかの心配はなかったのでしょうね。キテレツのべんぞうさんとか、一人暮らしで食事も作りながら、勉強もしないといけない。とか、大変だよね。
そうした東京での浪人生活を中心とした話が本書の内容となるのですが、勉強に集中出来ずに女の子の話が中心となります。断じて、みうらじゅんがそんなにもてたとは思えないので、見出しには自伝的な何かと入れたのですが、きっと実体験の浪人生活をベースにした妄想ではないか?と個人的には考えております。
読み終わった後に、何か大きな余韻が残る。とか、そうした事は一切ないですし、何かを考えさせる事もなく、スカッとした感じで終わる作品になります。良くも悪くも読後感として後味の悪さ。みたいなものは残らない作品ですね。これぞ、みうらじゅん。と言う印象を持つ事が出来る作品でした。
Bob Dylan – Like A Rolling Stone
日本語でボブ・ディランの名曲が途中途中に出てくるのですが、いかんせん日本語になりますので、どうにも締まらない。how does it fell!と英語で入れて貰いたかったですね。それぞれの青春時代には、それぞれのテーマ曲みたいなのがきっとあるんだと思います。私自身の浪人生活ではビートルズのHelpが脳内で良く掛かっていましたね。みうらじゅんの場合には、ボブ・ディランのLike A Rolling Stoneだったんでしょうね。
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