ボーダー 移民と難民(佐々涼子)

ボーダー 移民と難民(佐々涼子)
ボーダー 移民と難民(佐々涼子)

ウクライナ難民で始まった話ではない。
ミャンマー、スリランカ、イラン、アフガニスタン、そしてアフリカの国々から……。
命からがら、日本にたどり着いた人たちを、
私たちは、どう受け入れてきたのか?

『エンド・オブ・ライフ』でYahoo!ニュース|本屋大賞2020年ノンフィクション本大賞を受賞した佐々涼子の受賞後第一作。

かつて日本語教師として在留外国人と接してきた作家が、人間の心の奥に潜むボーダー(境界)に迫る。
ウィシュマさん死亡事件で一躍注目を浴びた日本の入管・難民問題を、独自の視点で追ったノンフィクション。
難民の受け入れ、入管の改善のために四半世紀にわたり闘い続ける「難民弁護士」児玉晃一。
その奮闘の日々を、現在入管に収監されている在留外国人の取材とともに綴る。
構想から10年。ノンフィクションの旗手、佐々涼子の新たなるライフワーク。

(目次より抜粋)
i 泣き虫弁護士、入管と闘う
私たちを助けてくれるの?
断末魔
囚われの異邦人
馬でもロバでも
アフガニスタンから来た青年
国会前の攻防
ii 彼らは日本を目指した
サバイバル・ジャパニーズ
看取りの韓国人
フィリピンの卵
ハノイの夜
赤い花咲く頃
iii 難民たちのサンクチュアリ
クリスマスイブの仮放免者
リヴィのカレー
人の中へ

佐々涼子(ささ りょうこ)
ノンフィクション作家。1968年生まれ。神奈川県出身。早稲田大学法学部卒。日本語教師を経てフリーライターに。2012年、『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』(集英社)で第10回開高健ノンフィクション賞を受賞。2014年に上梓した『紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている 再生・日本製紙石巻工場』(早川書房)は、紀伊國屋書店キノベス第1位、ダ・ヴィンチBOOK OF THE YEAR第1位、新風賞特別賞など9冠。2020年の『エンド・オブ・ライフ』(集英社インターナショナル)は、Yahoo!ニュース|本屋大賞2020年ノンフィクション本大賞に輝いた。『エンジェルフライト』は、米倉涼子主演で連続ドラマ化、2023年春にアマゾンプライムビデオで配信予定。

肌の色とか性別とか大事よね

本作品は、『エンド・オプ・ライフ』の著者である、佐々涼子さんの作品となります。最近、読んではいないのですが、前の作品がAmazonプライム限定になるのでしょうか?配信をされていますよね。読んでいないので、何とも言えないのですが、『エンド・オプ・ライフ』を実写化して頂きたい気持ちはあります。

さて、本作品はいわゆる、ウィシュマさんの件で知った人も多い入管の話が中心となります。この入管には、いわゆるオーバーステイをされている方もいれば、難民申請をしている人もいる事を、知った人も多いと思いますが、それ以前にも、酷い扱いを受けて、放置をされて、手当てをして貰える事もなく、亡くなった男性がいた。と言うのは、知りませんでした。やはり若い女性がなくなった。と言う方がメディアとしても、取り上げやすいのがあるのでしょう。

また、直近の話であれば、ウクライナからの逃亡をしてきた人に対しては割と簡単に住居などが見つかるのに、難民申請をしていたりした方には、それがありません。そして難民申請をしている多くの方が有色人種となります。ウクライナにロシアが進行をして、ヒステリックではないか?と思う位に反応をしている方が、日本では多い印象を受けるのですが、そこまで前ではない。アメリカのイラク戦争に日本も加担をしているのを、是非とも忘れないで頂きたいな。と思います。

何だか日本政府からして、頑なに何が悪いの?みたいな対応をしているのですが、ほとんどの日本人も残念ながら同じ気持ちでありながら、ロシアがウクライナを攻めるのは、絶対に許さない!とか、ちょっと米帝様に対しての奴隷根性なのか?肌の色で違いをつけているのか?どちらになるのか分からないのですが、ちょっと不味いですよね。

オーバーステイも色々

生きてはいましたが、子供の頃の話となりますので、良く分からない状態だったのですが、当時から観光ビザなどで入国をして、そのまま住み着いて働いていた外国人が多かったみたいです。本来であれば、それを止めるすべをもっておくべきでしたが、日本政府としては、当時はバブルで、人手不足となっていたので、方針として恣意的に放置をしていた。と言う話がありました。これは知らなかったですね。

そのまま何年も人手不足として、日本の企業や政府に恣意的な運用で、外国人労働者が放置をされていき、そのまま家庭を持ち、子供が出来て、バブルが弾けてしまい、取り締まりを強化して、入管へと収容をしていく。あまりにも酷い現実ですよね。

根本的にあるのは、外国人労働者を都合よく切り捨てる体質になる訳ですが、この辺りは、もう日本人に対しても行われている事になりますが、流石に日本人の場合には、仕事で切り捨てられても、入管に閉じ込められて警棒でぶったたかれる事はないでしょう。

大事なポイントになるのですが、このオーバーステイについては、別段、犯罪者ではない。と言う点になります。オーバーステイが日本の刑法として、暴行罪や窃盗罪のように、懲役などもないはずなのに、閉じ込められている空間は、まさに刑務所そのものとなります。物凄く快適で4LDKとかあれば、ちょっと、と言うか、かなり嫉妬をしてしまうのですが、ほぼ自由のない空間でトイレも丸見え。人間としての尊厳を傷つける環境となっているのは、酷すぎる。こうした現実について、もっと多くの人が知った方が良いのかな?と思います。一緒に勉強をしていきましょう。

介護の現実

入管から仮放免となった方の中には、ボランティアとして介護現場で働いている話であったり、韓国人の介護職員の話もあったりするのですが、この介護職員の話。実に難しい問題だと個人的には感じています。

もう、何年には、介護職員の数が、これだけ足りなくなる。と言う事は分かっているんですよね。でも、人口問題ですから、その介護職員が足りなくないピークを過ぎると、人口減少と相まって、仮に介護職員を必要な数だけ、都度用意が出来ているとしたら、それは働いている職員の増減であり、増え続ける分には労働者として低賃金である事は、一旦は抜きにして、ピークアウトをしたら、職員が必要でなくなるんですよね。

およそ、団塊の世代が介護を必要とする段階が終われば、介護職員の需要も減少をしていく。そして団塊の世代は今は80前後ですか?後20年は需要が拡大を続けるのかな?と思いますが、仮に20の若い男性がそこで働いていたら?40で市場規模が縮小を開始していく。年金はあとずらしをされていく中で、介護職員として需要がどこまで持つのか?非常に疑問なんです。

介護職員は必要です。でも、日本の労働環境や労働者の流動性を考えると、私自身は若い人に対して、介護職員として働く事を勧める事が出来ないんですよ。それは労働環境の厳しさや、低賃金の話ではなく、そもそも仕事がなくなるよ。と言う話なんですよね。これは、もはやAIに職を奪われるかもしれない。とかの次元ではないんですよ。20年後としたら、日本は発展途上国に仲間入りをしていて、日本は安いなー!介護は日本でして貰おう!と、その頃、日本よりも金持ちになったアジアの国々から人が来てくれるかもしれませんが、もうそれしか介護職員の仕事を維持していくには、思いつかないんですよね。

もう、特殊技能として20年働いたら、残りの人生で、派手に使わなければ、お金の心配はない。その代わり、体はボロボロになっているかもしれないけれどね。位に賃金を支払う方向性で考えていかないといけないと思います。

この介護職員の人員不足問題については、もう私自身も何度か考えた事があるのですが、介護をして頂く方、仕事として介護職員を選んだ方、双方にとって、ベストでハッピーに終わるだろう方法が、何度考えても、思いつかないんですよね。

発展途上へ一直線の日本

本書の中でも書かれていますし、そりゃ、今だって東南アジアの発展途上国の田舎に行けば、日本では、中々見る事がない、クラシカルな住居。電気水道もない生活を送っている人もいるでしょう。でも、確実に追いつかれてきています。

2060年、日本の1人当たりGDPは中印に勝てるか

ドル建て名目で、この記事時点での円ドル計算になりますが、そんなもん、円安になっていくに決まっているんじゃないですかね?と言う事で、他の東南アジアのGDPは書かれていないのですが、間違いなく、ひたひたと追いつかれていきますし、いまのように、技能実習生とか、わけのわからない名目で年単位の制限を受けてでも、働きに来てくれている主に東南アジアの国の方々はいますが、別の国に行くのは間違いないでしょうね。実際にすでに、これまでは日本に着ていたであろう東南アジアの外国人の方々が、中国などで働いている。と言うケースも多いと思います、本書の中では、2040年とか、そこまで厳密に年代は記載をされていなかったのですが、本書ではヴェトナム、そしてアフリカ諸国から外国人を受け入れていく。その先は?日本人の若い人が出稼ぎ労働者として海外に働きにいくんじゃないですかね?と言う事が書かれていました。

そう遠くはない未来。実際にそうなるんでしょうね。私自身、現在は2023年ですが、高校生の時とか、2000年とかですから。もう20年も経過をしたの?となりますし、計算をしたら、間違いなく逃げていくでしょうが、年金が貰える頃には、何とか逃げ切れるかもしれませんが、なんせ日本は発展途上になっていく訳ですから、社会的なインフレやセーフティネットが、今よりも脆弱になっている可能性は否定出来ません。

移民・難民問題は決して他人事ではありません。日本の保守と呼ばれている人達の中では、台湾有事を声高に言っている方が多いですが、もしもそうなれば、日本人が海外に難民として移動をしていく可能性が大いにある訳です。本書の中では、当時の政府の大臣が保護を求める書類すら用意をしているのに、偽装難民の可能性あり。として、難民として日本政府は認めていないで、入管と仮放免の繰り返しをしている状態となります。

もう、そこまでいっても難民として申請が通らないのであれば、逆に難民申請が通った方は、何をして通ったのでしょうかね?これは難民申請の話とは別件ですが、自民党員になって、献金したら通った事例があるみたいです。本当腐っていますよね。

移民や難民の問題は、日本人にとって、台湾有事が現実になれば、すぐにでも起こりえる可能性としてある訳ですし、そう遠くない将来、日本の若者が海外に出稼ぎに行く。と言う事も、決して大袈裟ではない話となります。その時に、特に難民として海外に入る際には、現状の日本の難民認定率については、恥を知らなければならに時が来るかもしれません。少しずつでも、変えていきましょう。特に具体的に自分に何が出来る訳でもありませんが、まずは、現実を知る所から始めていきましょう。

今作品に登場をしている方の公式Twitter

アルペなんみんセンターさんのアカウントでさ、Dappiをフォローしていたのですが、監視対象ですよね?ほら吹きDappi、マジでフォローをしている人は、頭が相当ヤバイ人で、もう取り返しのつかないウヨになってしまった状態になりますが、2023年3月時点では、Dappiの裁判の進捗状況は以下となります。

ツイート投稿者名の開示を命じる決定 「Dappi」訴訟で東京地裁

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