フィンテックは以前から将来的な市場拡大が期待されてきたが、2020年コロナウイルス感染拡大による”非接触型” ニーズから、イノベーションが加速している。
本書は、Google、Amazon、Facebook、Apple、ペイパル、ストライプ、アント、アファーム、コインベース、キャベッジ、ロビンフッドという、これからの銀行業界に大きな影響力を持つ世界最先端11社を分析することで、2025年の銀行の姿を読み解く未来予測書である。
著者は、米ニューヨークの銀行出身、その後グーグルで金融機関を顧客にフィンテック導入のコンサルティングに従事した経歴から、現在、特に「フィンテック」を専門とするベンチャー投資家として活躍している稀有な経歴の持ち主。
ここでのポイントは、ベンチャー投資家が未来予測をするということにある。
フィンテックを含めたテクノロジーに関する未来予測はさまざまな視点から提示されているが、アカデミア、エンジニア、ジャーナリストが行う未来予測には決定的に欠けている点がある。
それは、ベンチャー投資家が行う「どのように投資し、儲けるか」という観点だ。
なぜなら、テクノロジーはその革新性だけではなく、ユーザーに受け入れられなければ、広く普及することはないからだ。本書では、そんな「金融×テクノロジー×ビジネス」の交差点にいる同氏がファクトベースで2025年の銀行の未来を描くものである。
【目次】
はじめに 銀行の未来はこの11社が決定づける
・日本で利用者2500万人超えのアップルバンク
・旧態依然のメガバンクからアップルバンクに転職
・決済の大部分は、進化したグーグルマップで完結
・自動車保険も生命保険も、保険はすべてアマゾンが制覇
・小学生も、フェイスブックのデジタル資産「ディエム」で決済
・「米ニューヨークの銀行出身×ハーバード大学院理学修士×元・グーグルのフィンテックDX×ベンチャー投資家」による銀行の未来予測
・ジャーナリスト、アナリストの未来予測はなかなか当たらない第1部 2025年の銀行業界はどうなっているか?
第1章 銀行を破壊する11社の思惑と3つのメガトレンド
・[Apple]アップルバンクが「銀行」を再定義する
・[Amazon]保険、ローン、手数料。すべてが破壊的に安く、速い「銀行」をつくる
・[Facebook]「国際送金」に革命を起こし、お金にも〝つながり〟をつくる
・[Google]グーグルペイですべての金融サービスを意識なく完結させる
・[ペイパル]デジタルバンクをつくり、ネット決済を牛耳る
・[ストライプ]10兆円ベンチャー、ネット決済をより簡便に
・[アント]アマゾンと「二大巨大銀行」になり、世界最速で金融のデジタル化を推進する
・[アファーム]「ローン=住宅」の常識を180度変える
・[コインベース]すべての証券取引所と証券会社を淘汰する
・[キャベッジ]「低金利」「24時間対応」「10分」のローン審査で銀行のローン事業を破壊
・[ロビンフッド]堅苦しい金融サービスをゲーミフィケーションする
・銀行を襲う3つのメガトレンドとは?
・[メガトレンド1]すべての銀行手数料が0になる
・[メガトレンド2]預金量よりもデータを持つ銀行が未来を制す
・[メガトレンド3]24時間365日開いている銀行が標準に第2章 11社が銀行業界に起こすメガトレンド1:すべての銀行手数料が0になる
・なぜGAFAは利益度外視で金融に参入するのか?
・「手数料0円」の金融サービスで既存の銀行に攻める
・日本の証券会社が二分される
・米ソーファイ 学生ローンを劇的に安くする驚きの仕組み
・IPOの手数料で儲ける方法に激震
・銀行の3つの収益源のうち1つはなくなる
・銀行はこのままではIBMと同じ変化に直面する
・テクノロジーカンパニーが銀行を持つ第3章 11社が銀行業界に起こすメガトレンド2:預金量よりもデータを持つ銀行が未来を制す
・いまだに預金量で競い合う日本の銀行
・データがあれば、ローン金利を安くできて、リコメンデーションもできる
・4年後以降は、デジタル通貨の世界に
・中国がいち早くデジタル通貨を導入する理由
・現金が消えた国・スウェーデン
・「データ×保険」で金融に革命を起こす「ピンアン保険」
・自動車保険はあと30%安くできる
・グーグルマップで買い物をする時代がやってくる
・保険料の支払いはブロックチェーンが担う
・銀行はライフプランニングを増強すべき第4章 11社が銀行業界に起こすメガトレンド3:24時間365日開いている銀行が標準に
・99%の銀行手続きはアプリで完結
・ATM、店舗、窓口の行員―すべてが消える世界
・銀行店舗の人員は1人になり、人の対応が必要なときは予約制に
・メガバンクと地銀の違いがますますなくなる
・給料の銀行振り込みがなくなり、アマゾンギフト券とSuicaに!?
・プライベートバンクもAIを活用第2部 2025年、銀行が生き抜く処方箋
第1章 2025年に淘汰される銀行、生き残る銀行
・優秀なエンジニアが行きたいと思える銀行になれるか?
・生き残るには、デジタルに振り切りインフラに徹するしかない
・地銀で危機感が強い銀行「みんなの銀行」
・コンサルに任せっきりの銀行はつぶれる
・MUFJがメガバンクで初めて理系の頭取を抜擢した理由
・保険会社は代理店依存から脱却すべき
・地銀が生き残るために
・日本の証券会社で生き残るのはデジタルとデータを活用した企業第2章 2025年、銀行員の仕事はこう変わる
・20代、30代、40代。それぞれの銀行員に必要なこと
・AWSはジェフ・ベゾス宅という会議室の外から生まれた
・職種ごとに銀行員が身に付けるべきこと
・これからの銀行員に必要な「PE思考」とは?
・新しい技術を常にキャッチアップし、実際に触れる
グローバル企業に求められるのはモラルだと考える
本書は以下で紹介をしている『2025年を制覇する破壊的企業』の姉妹本となります。
ちょっと読むのが遅くなってしまい、内容として古くなってしまいましたかね。となりますが、これから伸びてくるであろう新興企業の事についても触れられており多少は勉強になりましたが、元々ネット界隈の事を仕事としているのと、本書が発売をされてから、時間も経過をしていますので、むしろ内容として古いな。と感じないとやばいでしょう。と言う話になりますかね。
メインとして取り上げれているのは、誰もが知っているグローバル企業が中心となるのですが、私自身としてはグローバル企業に求めたいのは、サービスの便利性とかではなくモラルなんですよね。この辺りはマルクス・ガブリエルが提唱をしている、企業に哲学者を導入すべき。と言うのと少しリンクをしていますかね。
実体験として話をするとですね、私自身、スマホのソシャゲをしているのです。そしてそのソシャゲの会社がいかれている訳ですが、会社が中国なんですよ。これをもってして、チャイナ企業は!となる人もゲーム内でも多いのですが、何だか知らないのですが、分かっていない人が多いのですが、ソシャゲで課金をされると、アンドロイドであれば、グーグルプレイに。アップルであれば、アップストアにマージンが入るんですよ。だから、プラットフォームとしてゲームを提供しているんですよね。
なので、ゲームに問題があった場合、当然最初に苦情を言うのであれば、ゲームの運営会社になるのですが、本来であれば、プラットフォームも責任を持つべきなんですよ。これをそもそも仕組みとして知らないで、超絶アホなのか?グーグルプレイやアップストアが無料でプラットフォームを提供している。と考えている人が多いです。
そして問題があったので、グーグルプレイ。要するにGoogleになりますが、苦情を申し立てました。運営会社は当然ながら、何の役にも立ちませんでしたからね。結果、Googleはプラットフォームとして責任を果たしているか?と言われたら、全く果たしていません。金さえ貰えるならモラルや道徳なんてクソくらえ!と言う態度でしたね。チャイナ!チャイナ!と言っている方が多いのですが、問題はGoogleだから、アメリカよ。強欲資本主義の塊の権化ですからね。
本書内で強調をされている、これからの会社で業界で生き抜いていくには、いかにデータを取得して、それを活用していくか?と言う事が書かれているのですが、これ自体は本来的には随分前から、当たり前の話で、今ではデータを集めやすくなった。と言うのが正しい表現になると思います。
モラルが欠如をしたグローバル企業がこれから、辛うじてモラルが残っている三河商人のような三方良し!の中小企業を淘汰していく。と思うと悲しい気持ちになりますよね。
流石にGoogleは使わざるを得ないのですが、Amazonはもう数年は利用をしていないので、マイページなるものがログインしても表示をされなくなりましたし、アップルは元々製品自体を使っていないですし、Facebookもログインしていないですかね。あまりデータをホイホイとモラルがない企業に渡すものではないですからね。と読んでいて思いました。
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