ガラスでできた殻をもつ藻、珪藻。世界に数万種はいるとされ、海や川はもちろん、水たまりなど、水さえあればそこには珪藻の姿があるそうです。しかし、あまりにも小さいため、ふだん私たちが意識することはありません。そんな珪藻を自然のなかから採集してならべ、美術作品をつくっているのが、世界でも数人しかいない「珪藻アート」作家の奥修さんです。
珪藻の殻の大きさは1ミリの10分の1前後。顕微鏡をのぞきながら、まつ毛や針先でつくった道具を操り作品をつくります。奥さんの生活は、この微小なガラスを自在に操るために、衣食住のすべてがストイックなまでに管理されています。空気中を漂う目に見えないほこりやちりを排し、そして珪藻をならべる自身の手がまったくふるえないようにするため甘いものを断つ……無数の「してはいけないこと」を生活から排除して、作品はようやく完成します。
職人の技を極めた先に完成するのは、肉眼では見えない極小の世界の、極限の美しさ。
珪藻美術館 ちいさな・ちいさな・ガラスの世界 (たくさんのふしぎ傑作集) 単行本 – 2020/9/4
『八月の銀の雪』に収録をされている『玻璃を拾う』が、きっかけ
珪藻の世界すら全く知らない状態でしたし、こうした形で並べていきアート作品にする。と言う、非常に言いますか大変な作業を行っている方がいる事すら知りませんでした。作業が大変。と言うだけであれば、まだ我慢が出来るのかな?と思いますが、行動の制約が非常に多いのが厳しいですよね。
油料理を作ってしまうと、数時間は目に見えないレベルで空気中に油が舞ってしまうので、しばらく作業が出来なくなる。とか、そうした世界の話です。
今回の書籍については、見出しにも入れているように、『八月の銀の雪』に収録をされている『玻璃を拾う』で、モデルになっていた事で知りました。そちらの書籍では挿絵なども特にない状態となっていましたので、文章から受けるイメージで想像はしていたのですが、実際に見てみると、イメージを超えた世界になっていましたね。
世界で数人しかいない、珪藻アート作品を作っている方の一人となるのが、著者の奥修さんになります。まだまだ伝統と呼べるだけの歴史があるジャンルなのか?そこまでは分からないのですが、奥修さんには是非とも日本人だから知っている。あるいは日本人の感性だから出来た。と言うデザインの作品を作って頂けるのが楽しみですよね。
作品の中にはクリスマスを意識したアート作品がありましたが、新年を祝うのに相応しい作品。とか、そんな作品があれば見ていて面白いかな?と思います。
『八月の銀の雪』についてはすでに読んでいて、記事にもしていますので、興味がある方は以下を読んで頂ければと思います。
『珪藻美術館』の動画紹介
こちら、本書の宣伝動画になります。ここまで紹介をしてしまって良いのかい?と思える位に作品が紹介をされているのですが、本書の中で掲載をされている、実際に珪藻を取ってみよう。と言うのは動画の中にはありませんでした。
良かったら買ってね♪
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