店で注文ができない。電話に出るのが怖い。喋ろうとしてどもってしまい、変な人だと思われたくない……話したい言葉がはっきりあるのに、その通りに声が出てこない「吃音」。目に見えず理解されにくいことが当事者を孤独にし、時に自殺に追い込むほど苦しめる。自らも悩んだ著者が、当事者をはじめ家族や同僚、研究者、支援団体に取材を続け、問題に正面から向き合った魂のノンフィクション。
色々と考えさせられた
軽度のも含めて、概ね100人に一人いる。と言われている吃音。思い返してみると、あの人は吃音だったかも。と思える人が頭の中で若干いるのですが、明らかに吃音。と言う方は、知り合いには振り返ってみても、いなかったはずです。でも、分からない。吃音と言うのはそれ位に分からない人もいる世界みたいです。
吃音ではないのですが、私自身が多発性円形脱毛症と言う、吃音と同じように、根治が難しい病気が発症をしています。どちらも共通をしているのは、人前にあまり出たくなくなる。と言うのがありますかね。そして、どちらもそれが原因で直接的に死ぬ訳ではない。だから、他人から見れば気にするなよ。で終わるのですが、本人はいたく気にするに決まっている点ですね。
本書でも紹介をされている方で、自殺を選んだ方がいます。他にも考えた人、実行に移したけれども、死に切れなかった人などが登場をしています。私自身も、ステロイドパルス。と言う治療をして、症状を抑える事が出来なかったら、死のう。と考えましたね。条件としては邪魔は入らないだろうけれども、数時間あれば発見をして貰える。かつ、確実に遂行を出来る場所。と言う事で、目星は付けておきました。後は実行をするだけ。と言う状態でしたが、幸い症状を抑える事が出来ましたので、自殺については撤回をしました。
ただね、これはね。人に相談をする事ではないですし、本当に考える人は、人に相談なんてしないですし、匂わせる事もない。と個人的には思います。実際に本書で登場をしている、自殺をされてしまった方も、家族や周りからは唐突に思えているみたいです。また、吃音とかとかは全く関係ないのですが、結構前に自殺をした知人も、話を聞いた限りでは、周りは予兆を感じていませんでしたし、そんな話をされていなかったみたいです。
本書とは全然関係ないのですが、他人の事をデマを吐きまくって、訴訟を着々と起こされている、安倍晋三大好き。ネトウヨの皇帝・黒瀬深が自殺を仄めかしたのですが、非常に悪質ですよね。彼の発言自体のほぼ全てが悪質の塊なのですが、実際に自殺を本気で考えた事がある人、残された方々みれば、お前ごとき玉無しに出来る訳ないだろ。と思いますので、唯々不愉快な発言ですね。
吃音の事を扱っている本書と、話はずれまくるのですが、コロナでお金がなくなって精神を病んで自殺。と言うケースが若い女性の間で増えているそうです。周りにはそうしたケースは聞いた事がないのですが、凄く残念ですよね。たかが金だよ。しかも若いのに。だぜ?と思いますけれどね。
本書については、あまり内容的には触れたくないですね。ノンフィクションと言う事もありますので、少しでも多くの人に自分で読んで貰いたいな。と思える作品でした。著者自身は現在は幾分改善をしているのですが、本人自身が吃音で、それが原因で物書きになる。と言う決意をして、葛藤をしながら、吃音の取材をして、本書が出来た。と言う経緯があります。当事者の間では有名なのでしょうが、吃音を取り巻く環境は好転をしつつあると思いますし、就職のサポートなども、以前と比較をすると充実をしてきていると思います。
そうした事は当事者ではなかったので、全く知らなかったのですが、ハードの部分は整ってきているのですが、本書を読んでも、やはりソフト。つまり職場の上司であったりの理解が足りないケースも多いみたいです。ほんに少し、優しくなれば良いだけ。だと思うのですが、私自身が吃音の方と仕事をした経験がないので、何とも言えない部分があります。
とにかく、色々と考えさせられましたし、テーマとしても軽くはないので、読むのに時間が少し掛かってしまったのですが、無事に読了。
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