矢口高雄による奥の細道
矢口高雄と言えば、つりきち三平が代表作になりますが、釣りに興味がないのでスルーをしてきてしまった漫画家さんの一人。でも、今回、奥の細道を読んでみて、非常に好感を持ちましたね。背景も含めて、相当書き込んでいる作品になります。
元々、こうした仕事をする漫画家さんなのかな?と思いながら読み終わり、あとがきに矢口高雄氏本人が書いている箇所を読むと、元々、俳諧が好きで松尾芭蕉にも興味があったので、今回の歴史の漫画の依頼があった際に、自分から、奥の細道を選んで、四カ月かけて作成をした作品になっている事が書かれています。
取材として、本書である奥の細道に当たる。この辺りについては、他のシリーズ作品を書いている漫画家も当たり前のように行っているのですが、今作では、矢口高雄さんは自らが現場まで行き、描写をする為にあれこれと考えていたのが途中途中に、文字でも書かれています。
正直、松尾芭蕉にそこまで興味があるか?と言われたら、私自身はないですし、今回の作品がツボに入る面白い作品か?いわゆるゲラゲラ笑えたりする作品か?と言われたら、別にそうでもないのですが、非常に丁寧に書かれている作品だったので、読んでいて、背景とかを良く目にしましたね。あとがきでも、そうした部分に力を入れていた。と言う事が書かれていたのですが、あとがきを読まなくても、絵を見ていて、すげーな。と思える箇所が多々ありました。
尾花沢の馬の話については、全く別の作品となりますが、この辺りでも馬と生活をしている。と言う話が書かれていましたね。なので、あー、なんか三浦さんの本でも書かれていたな!と思えました。
その外、俳句の人。と言うのが、どうやってお金を貰って生活をしていたのか?そうした事がリアルな金銭事情で書かれているシーンもありまして、この点は自分の中でも大いに疑問だったのですが、解消をされて良かったです。
残念ながら、作者である矢口高雄さんはすでに死去をされてしまいましたが、良い作品を残してくれていたんですね。面白くはなかった。と言う事を上で書いているのですが、あの有名な俳句は、こうした背景で作られたのか!と言う事が知る事が出来たりと、色々と勉強にはなりました。あまり。と言うか、ほとんど知らない世界の話だったので、読んでいても情報がすぐに交通渋滞を起こしてしまったのですが、読めて良かったですね。
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