
岩井克人「欲望の貨幣論」を語る
大反響の異色経済ドキュメント4作目。
同番組シリーズがテーマとする「欲望が欲望を生みだす資本主義の先に何があるのか」。
今回は、仮想通貨が生まれ、キャッシュレス化が進む現象を捉え、資本主義の基本を成す貨幣に着目。
「貨幣論」「会社は誰のものか」など、正統的な近代経済学の枠組みに留まらず、様々な問いかけ、考察をしてきた日本を代表する経済学者である岩井克人氏が登場する「欲望の資本主義 特別編 欲望の貨幣論2019」(2019年7月14日放送)をベースとし、追加独自インタビューも交えた書籍化。
NHK総合「欲望の資本主義」(2016年5月放送)を書籍化した『欲望の資本主義』、2017年新春放送の「欲望の資本主義2017」・2018年新春放送の「欲望の資本主義2018」を書籍化した『欲望の資本主義2』、2019年新春放送の「欲望の資本主義2019」を書籍化した『欲望の資本主義3』に続き、番組シリーズのコンセプトにさらに肉迫する意欲的な企画。
貨幣の矛盾
ビットコインがダメな理由については、私自身もよく分かっています。ありゃ、博打として買ったものだから、これからも博打として使われるだけであって、貨幣としての利用は難しいでしょうな。と言う話ですかね。
貨幣の貨幣たる理由ですが、1円玉って1円よりも素材的な価値があるんじゃなかったでしたっけ?昔そんな話を聞いた事があります。貨幣は物との交換の手段であって、貨幣がいくらあっても、それで腹は膨れないし、雨露はしのげない。でも、最終的には、貨幣を集める事を目的としてしまう。ここに矛盾がある。と言う事なのですが、それって矛盾なの?
貨幣を獲得をする手段が失われる可能性が、いずれくるから貨幣を貯めている。と言う人が大半な気持ちがするのですが、本来的な貨幣の目的ではないかもしれませんね。
しれっと、MMTについての否定も書かれていたりと、多少は勉強になりました。と言う形なのですが、この欲望シリーズについては、物凄く期待をしているので、今作では岩井先生のみの登場となっていて、そこに一番ガッカリしました。
岩井先生の説自体は、多分何も間違っていないと思うのですが、つまらないんですよね。誠実さの裏返しかもしれませんが、これまでの欲望シリーズの本を読んでいた時のドキドキ感みたいなものは、一切ないまま、あっと言う間に読み終わってしまいました。
欲望シリーズ、終了か?
欲望シリーズが大好きでして、これまでに書籍化をされているのは、全て購入をしています。シュンペーターの『資本主義は成功するが故に社会主義』になる。と言う感じのフレーズが凄く自分の中では衝撃でしたね。これほど、的を得ているのを予見していたのはすげーな!と思いました。
で、この書籍が販売をされたタイミングで、シュンペーターの書籍も翻訳をされて販売をされていたりもしたのですが、ガッツリと厚みがあり、無理だね。と思って購入すらしていません。取りあえず過去の記事です。
今回は岩井さんと言う事になるのですが、上でも書いているように、正しいのだろうけれど、つまらないですし、原理原則を外れる事はないのかもしれませんが、それならワクワクしないですし、岩井さん自体が、貨幣論の世界では超大物の先生になりますので、これまでにも書籍では読んだ事はないと思いますが、記事なりで、多分読んだ事があると思います。
そのせいか、特別に新鮮な感じがしなかったんですよね。
個人的には、これまでの欲望シリーズの書籍の中では、著しく評価としては低い形になってしますので、書いてある内容云々ではなく、この新鮮味を感じなかったのが原因になるのかな?と思っています。
ちなみに米相場の話が出ているのですが、何となしに、前にそのジャンルの書籍についても読んでいたので、記事のリンクを掲載しておきたいと思います。
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