チャヴ 弱者を敵視する社会(日本の事か?と思える書籍)

チャヴ 弱者を敵視する社会
チャヴ 弱者を敵視する社会

イギリスでは異例の14万部を記録!
ニューヨーク・タイムズ紙ノンフィクション部門ベスト10選出。
アメリカ、ドイツ、フランス、スペイン、スウェーデン、オランダ、トルコ、韓国で次々刊行され各国で絶賛。
いま最も注目されている若き論客オーウェン・ジョーンズの世界的ベストセラーついに日本上陸!
サッチャー政権の誕生から今にいたるまで、イギリスで推し進められてきた新自由主義。
緊縮財政、民営化、規制緩和、自己責任の大合唱、はイギリス社会とそこで生きる人々の生活をどう破壊していったのか?
怒れる二十代の若者が、 労働者階級の生活の「虚構」と「現実」を調べ上げ、 支配層を厳しく糾弾し、
現代イギリスの不平等と階級憎悪を ぞっとするほど克明に描き出した力作。
いまなお新自由主義に邁進する日本の社会や私たちの生活の将来を知るために最適な一冊。
【本書への賛辞】
「怒りが生んだ、最高の本」
──ガーディアン紙
最高の論争がみなそうであるように、知性に裏打ちされた怒りが本書を支えている。
──エコノミスト誌
暴動や世界中に広がったオキュパイ運動に照らして考えると、分断社会に関する著者の鋭い分析は、
不気味なほど未来を予知していたことがわかる。
──アートフォーラム誌
情熱と、思いやりと、すぐれた道徳性が結実した仕事だ。
──ニューヨーク・タイムズ紙
政治の定説を見直す大胆な試み。著者は戦後のイギリス史を縦横無尽に往き来し、
階級、文化、アイデンティティといった複雑な問題を軽々とまとめてみせ、
結果として「階級」問題に火をつけ、大きな効果をあげている。
──インディペンデント紙
いまの制度が貧しい人々を見捨てていることに対する苛烈な警告──それが本書だ。
──ブログサイト「デイリー・ビースト」
ジョーンズは、「地の塩」だった労働者階級が政治のせいで「地のクズ」と見なされるようになった経緯を見事に説明している。
──タイムズ紙
この本は、新しいタイプの階級嫌悪と、その裏にあるものを痛烈にあばいて見せてくれる。
──ジョン・ケアリー(The Intellectuals and the Masses著者)
これは「イギリスはおおむね階級のない社会である」という考え方への、論理的で情報満載の大反撃だ。
──オブザーバー紙
情熱的で示唆に富む……この声が届くことを心から願う。
──スコットランド・オン・サンデー紙

チャヴ 弱者を敵視する社会(Amazon)

ウヨさん大好き高市早苗の発言と酷似している

国は無職の大家族をこれ以上支援しないと主張した。長期受給者のうち、子供が4人以上いる世帯は、実際には全体の3.4%にすぎない。それなのにハントは、『貧乏人の子だくさん』と言う古くさい偏見とともに、『子供ばかり生んで福祉制度を食い物にするだらしないシングルマザー』という、タブロイド紙定番のイメージを利用した。言うまでもなく、この国でもっとも弱い労働者階級への攻撃強化を正当化するためである。チャヴをあざ笑うこうした態度は、これから何年にもわたって、イギリスの政治の中心になるだろう。

本書19ページ目

上記は本書に書かれているものとなりますが、自民党の幾人かの政治家が、明らかに生活保護叩きをして、生活保護に対してのイメージを大幅に悪化をさせる発言をしていましたね。そのうちの一人が高市早苗です。

「『さもしい顔して貰えるものは貰おう』とか『弱者のフリをして少しでも得しよう』、そんな国民ばかりでは日本国は滅びてしまう。(中略)多くの方が真面目に働く、人様にご迷惑をかけない、自立の心を持つ、そして秩序のある社会をつくる。それによって日本がどんどん成長していく。まあ、本当に気の毒な方々のためにも頑張っていける、力強い国をつくれる。(中略)もう一度みなさんと力を合わせて、また安倍総理(当時)に頑張っていただいて、日本を『奴ら』から取り戻しましょう」

高市早苗(wikipedia)

実際に日本での生活保護の不正受給については、不正受給である以上は取り締まるべきなのですが、問題はそれがどれだけいるか?ですよね?話にならない程度の%しかない。と言う事は、ちょっと調べて頂ければ分かる事になります。

また、この発言の中で非常に注目をすべき点としては、『奴ら』になります。

本書の中でも中産階級が下の階級となる『チャヴ』に対して、『奴ら』と発言をしているシーンが多くなります。イギリスの場合には、元々が階級社会となりますので、日本とはまた違った事情があるのですが、こうして相手を『奴ら』と言っている連中は中産階級と言う名の、今の日本の言い方であれば、上級国民になります。定職についている。とかそうしたレベルではなくて、イギリスの中でも物価の高いロンドン周辺に居を構えて、年収も平均よりも相当高いレベルにある人達ですね。

個人的にはそうした所得の高い層が、所得の低い層を見下す。と言うのは倫理観として問題があっても論理的には理解はする事が出来るのですが、不思議で仕方がないのが、日本の場合には、『奴ら』と生活保護を叩く発言に拍手喝采をしているのが、限りなく『奴ら』に近い層である事。ですね。勿論、港区に住んで、貯金残高の桁が多い人もいるのでしょうが、スレスレのレベルで生活をしている層が主な支持者となっているのが不思議で理解出来ないです。肉屋を支持する豚と言う表現がよくされていますが、その通りですよね。

現実的にはイギリスでは、所得が低い層のエリアではリベラル派が選挙で強いのですが、日本では逆ですよね。沖縄は基地問題を抱えているから別として、それ以外の所得の低い地域では、自民党の支持者が多く、不思議な形になっています。

また、高市早苗の発言については、実際にはほとんど存在をしていない、不正受給が、さも大量にいる。そして金額的にもべらぼうに発生をしている。と言う形で発言をしていますが、まず間違いなく、金持ちの脱税金額の方が金額的にも大きいでしょうし、生活保護を活用している層の大半は、法律上、全く問題なく、不正受給をしているのは、圧倒的に少数派になります。小さな事実を、さも大きな問題のように取り上げる、こちらの手法については、以下の書籍でも紹介をされている手法になりますね。

(コロナの重傷者の事なんか、知った事ではねー!憲法なんて余裕で守らないぜ!そんな事よりも総裁選!と言う自民党ですが、自民党支持者の中でも頭が悪過ぎる層が高市!!と言う状態になっています。そうした人の意見にうっかりと騙されてしまう、別段、自民党を支持している訳でもない人が増えると、やばいなー。と思いましたので、取りあえず、本書については、まだ読み切っていないのですが、取りあえずアップしました。この後に、読み終わった後に、また文章の加筆修正を行い、再構成をしていきます。)

労働者階級の為の政党であった保守党の変化

本書の中で、本来は労働者階級から選挙で政治家になった。と言うケースが多かった保守党の議員の変遷が書かれています。ザックリと自分の言葉で言えば、本来は地域社会を守るはずであった、保守党の議員が、自分達の利益や立場を守るだけの保身政党になった。と思いますね。この辺りは政党を立ち上げる前の時点で、山本太郎が、『お前らしい二度と保守を名乗るな!お前らは単なる保身だ!』と国会で叫びましたが、日本でも着実にイギリスと同じように、保守を名乗りながら、やっている事は保身になっていますね。

この辺りのイギリスの保守党を含めた議員の変遷については、マイケル・サンデルの書籍でも書かれていたと思います。興味がある方は以下の書籍を読んでみて下さい。中々にタフな内容となるのですが、本書の『チャヴ』の方が出版については早いですね。

『不満の冬』の時代の違った見方

本書を読むまでは、存在自体を知らなかったのですが、石油ショックに端を発した世界的なインフレの中で云々。と言う事で、以下のサイトにも詳しく書かれています。

凄く勉強になったのですが、ただ一点。

労組は、欲を出しすぎて、更なる賃金値上げを求め、キャラハン内閣を潰す結果となり、この不満の冬は、サッチャー時代を招き入れるという労組の自殺行為となったわけです。

ここですね。本書を読むと分かりますが、そもそもインフレに給料が追いついていないとどうなるか?最悪餓死するんですよね。石油ショックをタイムリーに感じてはいないのですが、リーマンショックに端を発した世界的な信用不安が発生をして、世界的なドル安については体感をしました。日本の場合には、ドルに対して円高となりましたので、食料品の大幅な値上げ。と言うのは回避をする事が出来ましたが、中東では主食を購入する事が出来なくなってしまい、デモや暴動が多発をしたのは、ニュース番組などで見てきましたね。

想像するに、それと同じ事が当時のイギリスでも起こっていたのではないかな?と考えています。そうすると、決して欲を出した訳ではないのかな?と思いますね。働いても赤字、あるいは、残高が残らない。こうした状況に置かれると、人間の精神は正常である事は中々難しいですからね。

いずれにても、この『不満の冬』の時代のインフレに国が対応を出来なかったせいで、サッチャーが台頭をする事になり、労組に壊滅的な打撃を与えて、それまで存在をしていた工場が海外へと移転をされていき、イギリス国内の空洞化を招き、そもそも仕事がない。と言う状況を作りだしていき、『今だけ金だけ自分だけ』の新自由主義へと転換をしていく事になります。

サッチャーイズムと言う新自由主義の台頭

サッチャリズムは『何を所有しているか』によって成功の度合いが測られる新しい文化を醸成した。適応できないものは蔑まれる。『向上心』を持っているのは、もはや『力を合わせて地域社会をよくしていこうする人々』ではなく、『社会的費用に関係なく、個人としてより多くのものを手にいれる人々』と再定義された。

本書79ページ目

中盤以降については、チャブと呼ばれている層が実際にはどうなのか?と言う事が中心に場所を変えながら書かれています。サッチャリズム以降、仕事もなくなり、雇用先がそもそもない。と言う世代の子供世代も大人になっていき、同じような安定した仕事がない。それなのに社会保障費は削減をされていき、怠惰で怠け者だから自業自得と言うレッテルを貼られていく。

どこかで聞いた事のある話になりますね。この辺りについては、欧米の方が激しいのでしょうが、日本でも追いつけといわんばかりに、メリトクラシーと言う事が言われています。

こちらの書籍については、正直、読むのに時間がかかりました。特に中盤以降については、聞き覚えはあるけれど、イギリスの中でどの辺りのエリアのことを指しているのか?勉強不足の為に、分からないエリアの話になりますし、そもそも近代のイギリスの産業についても、良く分かっていない状態となりますので、読むの時間が掛かってしましましたね。

そうこうしている間に親ガチャと言うフレーズが日本でも話題となりました。日本で使われている親ガチャとメリトクラシーについては違う部分も多いのかな?と思いますが、一定以上に重なっていますよね。中には親ガチャと言う表現に対して不快感を覚えて、自分が努力をしてこなかったせいだ!と言う人も多いと思いますが、これが典型的なメリトクラシーになります。

その辺りについては、サンデル教授の『実力も運のうち 能力主義は正義か?』について書かれています。上でも紹介をさせて頂いています。やはり、本人の努力だけでは、どうしようもない現実が以前と比較をして、非常に大きなってきていると思います。

本書、チャヴについて書いているページ

Owen Jones 公式アカウント

オーウェン・ジョーンズ、襲撃をされていた。と言う話みたいですね。本書自体は2012年頃に書かれているのですが、日本語訳は2017年と、まだギリギリ割と最近。と言えるタイミングで出版をされている書籍になります。
あまり数としては多くはないのですが、他の方の書評であったり、論座と言うサイトでも紹介をされていたので、そちらのリンクを上記に掲載をしておきます。

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