警察・公安官僚の重用、学術会議任命時の異分子排除、デジタル庁による監視強化、入管法による排外志向、五輪強行に見る人命軽視……安倍・菅政権に通底する闇を暴く。最新の情報を大幅増補した決定版。
重厚な内容の作品
第一章からもうガツンときましたね。いわゆる安保法制の話になりますが、政治よりも自衛隊の高官が先にアメリカの偉い人と、いつ位までに成立をさせる事が出来るだろう。と言う会話をした文章がすっぱ抜かれた事から始まり、手にした共産党が国会で追及。追及された政権は、そんな文章は知らない!と言い放ったのですが、自衛隊の中では犯人探してが始まる。ないはずの文章を流出させた犯人探し。と言う滑稽な姿が書かれています。
最終的にこの件については、自衛隊としては文章が国会で追及をされてから、急遽破棄を指示するメールが庁内で出されて、文章としても黒塗りが出来るように機密度を上げる。そして犯人として告訴をした自衛隊の人間もいたのですが、検察に相手にされずに棄却。要するになかったはずの文章なのに、犯人探しをしておきながら、疑った自衛官を裁判に持ち込む事すら出来なかった。と言う話ですね。
最近でも、自衛隊の方が使っていたでろうパソコンが、売却をされたのか?初期化が不充分ではなかったみたいで、自衛官のえげつない不倫写真や日記がパソコン内のデータに残っていたりと、国防を掲げている割には自己すら統制を取れない情けない体質が良く出ていますね。
やや食傷気味にはなりますが、当然ながら、森友・加計学園の問題。そして南スーダンの日報問題。日本学術会議の任命拒否など、多数の問題事例が上げられています。この辺りについては、著者の青木理さんの見解も勉強にはなるのですが、前述をしたように、食傷気味ではありますね。それはそれで良くないんですけれどね。
他にも警察の不祥事など、何となく聞いた事があるけれど、詳細については記憶からなくなっていた話などが収録をされています。地方自治体の役人様にも期待は出来ないのかな?と思いますが、やはり中央官庁の腐敗は凄いですね。腐ったミカンが長い事、政権にいたせいで、腐った人間とそれに迎合をした人事が行われていたと思います。この辺りは政権が変わっても、お前は腐っているから。と言う理由で更迭をする事も出来ないでしょうから、日本の中央官庁の腐敗は当面は残念ながら続いていくのかな?と思います。
ただただ、脱帽
青木理さん自身の著作もあるのですが、この本にこんな事が書いてあった。と言う事で、書籍が登場をするのですが、その量が半端ではないです。ちょっと取りこぼしもあるかと思いますが、一応は気が付いたら、都度付箋を貼っておいたので、以下に列挙をしておきたいと思います。それぞれの作品の著者も紹介をされていましたが、タイトルを見て、グッと興味が沸いた書籍を、各自で読んで頂ければと思います。個人的には『日本会議の正体』、『1984』しか読んでいないですね。
- 『抵抗の新聞人 桐生悠々』
- 『死のテレビ実験 人はそこまで服従するのか』
- 『1★9★3★7 イクミナ』
- 『国家神道と日本人』
- 『永遠のファシズム』
- 『恥さらし 北海道警 悪徳刑事の告白』
- 『真実 新聞が警察に跪いた日』
- 『絞首刑』
- 『日本会議の正体』
- 『犯罪と刑罰』
- 『1984』
- 『安倍三代』
- 『マチネの終わりに』
- 『沖縄と国家』
- 『これが人間か』
- 『オードリー・タン 自由への手紙』
こんな感じです。本書は単行本で出たのが文庫化をされたのですが、図書館で単行本を借りたりしたのですが、文庫化を最近になってされている事を知り、読まずに返却をしました。単行本から文庫化されると、文庫化によせて。と言う事で、新しく追記をされている事がほとんどなんですよね。こうした時代物の作品になりますと、今の青木理さんの視点。と言うのを知っておきたいと思いましたので、文庫化されたのを購入して読ませて頂きました。
あとがきについては、白井聡さんになります。ジョージオーウェルについての台詞が書かれていて、思わずここで引用をしたくなったのですが、読んで頂ければと思います。
中々に読むのにタフさが求められ作品となっていて、同じ分量の小説と比較をすると3倍ぐらいの時間が読むのに掛かりましたね。
青木理×田中均の動画
こんな感じの動画がありましたので、紹介をしておきたいと思います。個人的には青木理さんは、もっと活躍の幅を広げて頂きたいジャーナリストの一人ですね。
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