本屋大賞翻訳小説部門第1位『アーモンド』の著者が放つ待望の第2弾!
生きづらい今、すべての人に勇気をくれる共感必至の傑作!
1988年ソウルオリンピックの年に生まれ、三十歳になった非正規社員のキム・ジヘ。88年生まれに一番多い名前「ジヘ」と名付けられた彼女はその名の通り、平凡を絵に描いたような大人になっていく。
大企業の正社員を目指すジヘの前に現れたのは、同じ年の同僚ギュオク。彼の提案する社会への小さな反撃を始めることになったジヘは、自身を見つめなおし、本当にしたかったことを考えるように。そして、ついに「本当の自分」としての一歩を踏み出すことになる――。
『間違っていることを間違っていると言うだけでも少しは世の中が変わる』
本屋大賞の翻訳部門で1位となった『アーモンド』の著者である、ソン・ウォンピョンの二作品目となるのが今回紹介をしたい『三十の反撃』になります。見出しに入れている文言は本文中にも登場をしている文章となっていて、自分としては大切にしたいな。と思った文章でしたので、見出しに使わせて頂きました。
さて、本書については、本屋大賞を受賞した『アーモンド』とは、また違ったテイストの話になりますね。冒頭部分の話になりますが、韓国で開催をされたソウルオリンピックでの事が書かれているのですが、私自身は、本書の主人公よりも少し年上となっていて、記憶にはないのですが、ソウルオリンピックも現地で観戦をしたらしいです。実家にその当時に購入をしたグッズみたいなのがありましたね。
でも、カール・ルイスvsベン・ジョンソンについては記憶にありまして、兄がルイス派で、私自身はベン・ジョンソン派でして、ほれみろ!となったのですが、ドーピングで永久追放となりましたよね。そんな記憶が残っているのですが、主人公が生まれる前に、父親が産気づいている母親に対して言った台詞。『ベン・ジョンソンが勝ったらしいよ』。この部分、すげー笑いました。
韓国の細かい歴史であったり事件については、当事者ではありませんので、克明に覚えている訳ではないのですが、それでも日本でも報道をされた事件もあったりして、読んでいて、あー、そう言えばあったな。と思う事もありました。この辺りは『アーモンド』と同じになるのですが、韓国文化に余程精通をしていない限り、分からない部分もあると思いますので、スラスラと読めるようにする為に、最初に巻末部分に書かれている解説を読んでから、本書を読み始めるのが良いと思います。
全体的には、個人的には『アーモンド』よりも、今作となる『三十の反撃』の方が好きでしたね。理不尽に対して、些細な反撃を行う。スカッ!とするまでは行かないのですが、黙って自分自身の中で折り合いを付ける事よりも、良い事だと思います。
本書を読み終えてから聞いたり見てみてね!♪
本書の大事なシーンで登場をしている曲になります。全然知らない曲でしたので、知れて良かったですね。
ほぼ記憶にないのですが、見た作品になりますね。本書のポスターとして登場をしているのですが、何となく思い出してみると、トム・クルーズが政府を批判しているシーンがあったと思います。本書のテーマである、間違っている。と思う事に対して、間違っている。と言うに沿っている作品になるのかな?と思います。
著者であるソン・ウォンピョンさんが監督・脚本をつとめる作品の映画となります。『アーモンド』のページ内で紹介をするのを忘れていました。ちなみに、『アーモンド』の感想文は以下になります。
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