内容紹介(出版社より)
痛ましい歌声が、俺の胸を血まみれにする。
戦争の昂揚と絶望、そして戦後の果てない堕落。兄の人生を見つめたその娘は、「謎の歌手」に生まれ変わった。
代表作『兄弟』の原型にして、いまに鮮烈な未発表作品、なかにし礼の死後1年目に衝撃の単行本化!
内容紹介(「BOOK」データベースより)
戦争の高揚と絶望、そして戦後の果てない堕落。兄の人生を見つめたその娘は、「謎の歌手」に生まれ変わった。代表作『兄弟』の原型にして、いまに鮮烈な未発表作品、なかにし礼の死後1年目に衝撃の単行本化!
著者情報(「BOOK」データベースより)
なかにし礼(ナカニシレイ)
1938年中国黒龍江省(旧満洲)牡丹江市生まれ。立教大学文学部仏文科卒業。在学中よりシャンソンの訳詩を手がけ、その後、作詩家として活躍。日本レコード大賞、日本作詩大賞ほか多くの音楽賞を受賞する。2000年『長崎ぶらぶら節』で直木賞受賞。2012年3月、食道がんであることを発表。先進医療の陽子線治療を選択し、がんを克服して仕事復帰。2015年3月、がんの再発を明かして治療を開始。10月、完全奏功の診断を受けたことを公表した。『サンデー毎日』連載小説・エッセイなど重要な「晩年の作品」を生み出した後、2020年12月、心筋梗塞のため死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
これは単行本化して良かったのだろうか?
なかにし礼、本人が出版をしたのであれば問題ないとは思いますが、あとがきなどを見ると遺族が原稿を発見して出版。と言う事が書かれていたので、うーん?と思ったりもしました。話としては森田童子にまつわる話となるのですが、知らない人もいるかもしれませんね。でも、曲を聞けば分かると思いますので、以下動画を置いておきます。
内容としては、森田童子の親父であり、なかにし礼の兄が主人公の作品となります。商才がなかったのか?タイミングが味方をしてくれなかったのか?意地だったのか?当時に生まれているわけでもない私自身には分からないのですが、なかにし礼が売れっ子の階段を登り始めて、お世話になって、兄さんはもう何もしなくても良いよ。お小遣いもあげるから、好きな事をして残りの人生楽しんでよ。と言われたら、自分だったらどうする?
その時点での年齢にもよりますが、もう私自身も40過ぎですし、残りの人生の時間もそれなりにぼんやりと見えてきているので、やっほー!!となって、残りの人生を仕事しないで好きな事をして暮らしますね。いまいまはヘルニア発症中となりますので、難しいですが、史跡の発掘のアルバイトをしたり、邪馬台国がどこにあったのか?候補となっている場所を自分の足で巡り歩いたり。やりたい事は、山ほどありますよね。
世代的にも、なかにし礼の兄であり、本作品の主人公は戦闘機に乗って、B29に何度も迎撃に出撃をしています。出撃の度に仲間の数は減っていたであろう中、生き延びた。こうした経験と言うのは、自分と同世代であれば、どうしたって経験をした事がないのですが、空虚さをどこかに纏ったままの人生になる可能性が非常に大きいのかな?と勝手に思います。
いずしても、売れっ子のなかにし礼の金を使い果たした結果となり、自分の娘である森田童子からも愛想をつかされてしまったなかにし礼の兄。ちなみに金銭だけではなく、結婚して子供もいる中での愛人通いなど、ストレートに感情のまま生きてきた人物ですね。これもきっと空虚さをどこかに感じていたのではないでしょうか?
作品自体は短編と言う訳ではありませんが、非常に読みやすい文章となっていて、時間の確保が出来れば、その日のうちに読み終わると思います。





コメントを残す