内容紹介
幕末から明治にかけて日本に滞在した英国の外交官、アーネスト・サトウ。世界史上、相手国に喰い込んだ外交官は数多くいれど、対立する両者と密な関係を築き、相手国の歴史に深刻な影響を与えた外交官はアーネスト・サトウを措いて他にいたであろうか。なにしろ、幕府を支援していた英国を、薩長の側に付かせ、日本の政治体制を大きく変えてしまったのだから。薩長連合の密約が交わされた時期に、ジャパンタイムスに掲載された『英国策論』と題された英文には、日本の政権を将軍から諸侯連合に移すべきと記されている。この論文は多くの人に読まれ、幕府を見限る潮流作りに寄与した。また、江戸城無血開城への英国の影響力を指摘した点も本書の大きな達成である。内容(「BOOK」データベースより)
「孝明天皇暗殺説」を英文著書で記述。戦前この部分の日本紹介は禁止。慶喜は英公使パークスの勧めで大阪城から逃走。朝廷の外交関係文献の最初はアーネスト・サトウの示唆による。江戸城無血開城はパークスの助言が功を奏した。英国は日本を植民地化しようとは思っていなかった。英国は明治政府に配慮し、自らの支援を語らなかった。著者について
1943年、旧満州国鞍山生まれ。1966年、東京大学法学部中退、外務省入省。駐ウズベキスタン大使、国際情報局長、駐イラン大使等を歴任。著書『戦後史の正体』(創元社)、『日米同盟の正体』(講談社現代新書)、『小説 外務省』(現代書館)、鈴木邦男氏との共著『いま語らねばならない戦前史の真相』(現代書館)等多数。著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
孫崎/享
1943年、旧満州国鞍山生まれ。1966年東京大学法学部中退。外務省入省。英国、ソ連、米国(ハーバード大学国際問題研究所研究員)、イラク、カナダでの勤務を経て、駐ウズベキスタン大使、国際情報局長、駐イラン大使を歴任。2002~2009年まで防衛大学校教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
超重要事項満載
いわゆる院暴論のジャンルに分けられてしまう書籍で、孝明天皇が暗殺をされたのは間違いない。と言うのをみた事があるのですが、今時の硬派な学者の中でも、孝明天皇は暗殺をされたのだろう。と言うのが強くなっていた事は知りませんでした。
これはアーネスト・サトウが書いた日記の中からも、確信出来る筋からの情報として、孝明天皇は毒殺をされた。と言う記述があるみたいです。歴史学的に、これをもってして。と言うのは難しいのかもしれませんが、孝明天皇の主治医であった医者の日記も出てきて、本当に孝明天皇は病気ではあったみたいですが、どうにも症状としては毒殺だろう。と言う記述があったみたいです。
これ、凄いよね。現在の政治でも薩長土肥が強い傾向がありますが、彼らの土台は間違いなくテロリストなのですが、単なるテロリストではなく、天皇陛下をも毒殺したテロリストの流れを汲んでいる訳ですからね。どうりで見ていて、天皇陛下に対して不敬極まりない内閣だと思ったぜ!と言う話なのですが、そうした事も色々と書かれています。
著者の孫崎さんの性格ゆえか、思い切りズバット書いている傾向は薄いのですが、孝明天皇に関しては著者も毒殺だと思う。と言う事が書かれています。
アーネスト・サトウ。と言う人物をどれだけの人が知っているか?ですかね。大半の人は知らないと思いますし、個人的にも、イギリスが長州とかを操つっていた。と考えているのですが、本書では、そこまでは踏み込んではいないです。アーネスト・サトウとその取り巻きや周囲の動きが書かれているのですが、うーん。中々面白かったです。
司馬遼太郎先生の坂本龍馬がイメージとしてある人には、どうしても龍馬が工作員だと認めたくない人も多いと思いますが、間違いなく工作員でしょうね。アーネスト・サトウの日記などの中にも明らかに意図的に龍馬の存在が消されているのですが、別の人の日記や資料などでは、確実にお互いが同席をしているシーンもあったりします。一般的に考えて、工作員と同席をしている様子を記録する諜報部員はいない訳でして、返って龍馬の立ち位置が見えてきますね。
坂本龍馬暗殺と無血開城
坂本龍馬暗殺についても、孫崎享さんなりの見解が書かれています。結論を書いてしまうとあれなんで、少し離して言えば、倒幕派がやったのは間違いないでしょうね。だから、見廻り組は、相当怪しいですかね。怪しいってのは、やっていないだろう。と言う意味ですね。
それと無血開城についてもですが、元々個人的には明治維新自体がイギリスのバックアップが前提であって、維新の志士がすげー。とまでは、そこまで思っていなかったですし、無血開城自体にそこまでの興味もなかったのですが、こちらもイギリスのパークスが辞めなさい。と圧力を加えてきて、スポンサーに怒られたらやばいから、辞めておこうか。と言う事が書かれています。
とかく、明治維新の政府と言うのは今も結局は繋がっていますので、正当性を保つ為、そもそも当時としては、正当性を強調したりする為に、色々な美談が出ていますし、そこにロマンを感じている人も多いと思いますが、大体嘘です。無血開城については、そう言われてみたら、そうだよね。と言う位で、他は大体、まー、そんな話は聞いています位ですかね。上述をしている、孝明天皇暗殺についても、そろそろ、この説を信じるしかないなー。と勝手に思っております。
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